決算に当たって、ちょっと注意したいポイントに「期ズレ」があります。単純な判断ミスや知識不足で発生することも多く見られます。期ズレが見つかると修正申告や更正が必要になるため、注意が必要になります。
売上や費用を本来計上すべき事業年度よりも前倒し、または繰延べして別の事業年度に計上することを「期ズレ」(期間差異)といいます。税務調査でも良くチェックされる事項です。
少し前に取りざたされていたミサワホーム九州の粉飾決算問題は、未完成だった住宅の売上を前倒しして決算に繰り入れていた、まさに「期ズレ」が問題となった例です。
特に注意しなければならないのが「代金の前払い(前受け)」や「事業年度をまたいだ取引」で、たとえば以下のようなケースです。
●前払いで商品を購入(販売)したが納品日は翌事業年度だった。 ●家賃や設備等の保守費用などの月額費用について、翌事業年度分をまとめて支払った(受け取った)。 ●翌事業年度に完成する工事等に係る費用(外注費など)を支払った・・・・など。
ではここで、正しい売上・経費の計上について、ご紹介いたしましょう。
■売上の計上
原則として、商品やサービスの「引渡しのあった日」や「役務(サービス)の提供の完了した日」に売上を計上します。難しいのは「引渡し」の基準ですが、税法では「出荷基準」「検収基準」「使用収益開始基準」「検針基準」の4基準があり、毎期継続して運用されていればどの基準でも構いません。
■経費の計上
基本は売上と同じで、商品やサービスの提供を受けた日に経費を計上します。従って、年度末までに届いていない商品や翌期分の費用を前払いしても当期の費用にはなりません。例外は売上に対応する費用(外注費など)で、これは対応する売上の計上日に経費を計上することになります(仕入は棚卸しで経費化されます)。また、償却費など会計上のみで発生する費用も別です。
売上や経費の計上は「期ズレ」に注意
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