投資を成功させるためにはポートフォリオの作成が重要です。ポートフォリオとは保有する資産の組み合わせや比率のことを指します。どのような組み合わせでポートフォリオを作るかにより、投資の利回りやリスクが変化してくるため、正しく理解しておきましょう。
ポートフォリオとは
金融資産の組み合わせ
投資におけるポートフォリオは、保有する金融資産の組み合わせを指します。分散投資を目に見える形にするため、ポートフォリオを作成してどこにどの程度投資するのか明確にすることが目的です。
金融資産の組み合わせにはいくつかの粒度がありますが、一般的にポートフォリオでは具体的な金融商品を組み合わせます。どのファンドにいくら投資するか、どこの株式をどの程度保有するかなどがポートフォリオだと考えれば良いでしょう。
なお、ポートフォリオに対してアセットアロケーションという言葉があります。こちらは具体的な金融商品ではなく大まかな資産配分を指すため、こちらも理解しておくと良いでしょう。
将来的に保有する資産も含む
ポートフォリオは将来的に保有する予定の資産を含みます。現時点で保有している資産や直近で購入する資産に目を向けられることが多いですが、将来的なものも含めて考えるのが基本です。
ただ、「将来的」の解釈は人それぞれであるため、どうしても解釈にも幅が出てしまいます。数年先の資産まで考える人もいれば、10年や20年など長いライフプランと絡めて考える人もいます。解釈の幅については認識しておくとよいでしょう。
実現可能な内容を検討
ポートフォリオを考えるにあたって重要なことは、実現可能な内容であるかどうかです。金融資産は理想論をいえばキリがありません。ただ、理想ばかり語っていてはポートフォリオを検討する意味がなくなるため、現実味がある内容にしなければなりません。
特に意識してもらいたいことは、自分の資産などを踏まえてどのようなポートフォリオにするかを考えることです。証券会社などが公開する商品ありきで考えるのではなく、自分の資産状況を踏まえて適切な商品を探すことが重要です。
証券会社は多くの商品を扱っているため、魅力的なものは多々あります。ただ、それらがすべて自分に適しているとは限りません。自分の置かれている状況を踏まえて、ポートフォリオは考えるべきです。
ポートフォリオの作り方
積立予算の決定
投資のポートフォリオは人によって作り方が異なるため、今回は王道の作り方についてご説明します。
最初に積立予算を決めておきましょう。ポートフォリオは将来的に保有する金融資産について考えるため、どのようなスケジュールで投資を進めるのか考えなければなりません。
積立予算を決定するにあたって考慮しなければならないことは、毎月の給料やボーナスの金額です。投資は無理のない範囲ですべきものであるため、手取り金額から生活に必要なお金などを差し引いて積立予算を定めておきます。
また、将来的に給料やボーナスの増額が期待できるならば、その点も考慮しておきましょう。将来的には今以上の投資ができるならば、それを踏まえたポートフォリオを作るべきです。
目標金額の決定
積立予算が決定したら、目標金額を決定しましょう。定期的な投資を続けていくことで、どの程度の資産形成をしたいのか検討しておきます。毎月漠然とした投資をおこなうのではなく、目標を決めてそれに向かった投資をすべきです。
目標金額は純粋に必要な金額を定めると良いでしょう。例えば購入したいものがあるならば、その金額を目標金額にすべきです。また、子供のために学費を貯めておきたいならば、イメージするライフプランに合わせて目標金額を定めると良いでしょう。重要なことは目標の内容ではなく、目標を定めておくことです。
また、目標金額を定めると同時に、投資できる期間についても考えるべきです。期間が短ければ目標金額を達成するのが難しくなってしまいます。現実的な積立金額と投資期間を踏まえて、難しさを感じるならば目標金額は若干見直すと良いでしょう。
なお、積立予算と期間、目標金額が決まれば必要となる利回りが計算できます。利回りはポートフォリオを作成するにあたり重要な指標となるため、何パーセント程度の利回りで投資をしなければならないのか確認しておきましょう。
投資先のバランスを検討
ここまでの情報が決定すれば、続いては投資先のバランスを検討します。どのようなバランスで契約するのかは、ポートフォリオを決定するにあたり重要な要素です。
投資先の選択肢は利用する業者などに左右されますが、例えば以下が考えられます。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
これらはそれぞれに特徴があり、安定性や利回りが異なっています。利回りが低い代わりに元本割れしないものもあれば、利回りが高い代わりに元本割れするリスクも高いものも含まれます。求める利回りや許容できるリスクを踏まえて、どのようなバランスで投資するのかを決定しなければなりません。
なお、投資のバランスは求める利回りによって変化させるのが基本です。安定性を求めるならば国内株式や国内債券を中心に投資すべきであり、大きな利回りに期待するならば新興国株式や新興国債券へ多く投資すべきです。
投資先ファンドの選択
投資のバランスが決定できれば、具体的な投資先ファンドを選択します。ファンドには数多くの選択肢があるため、それぞれを比較しながら慎重にポートフォリオを決めていきましょう。
ファンドは同じ証券会社から選んでも複数の証券会社から選んでも差し支えありません。証券会社によって取り扱いしているファンドが異なるため、理想的なファンドが見つからなければ複数の証券会社から選ぶようにしてみましょう。
証券会社のWebサイトなどには、ファンドの特色や商品のコンセプト、今までの投資実績などが記載されています。初心者にも分かりやすく情報が公開されているため、内容を吟味してポートフォリオに含めるものを最終決定します。
ポートフォリオ作成のポイント
計画的な分散
ポートフォリオを作成する際は、計画的に分散するように意識すべきです。特定の商品に偏った投資をおこなうのではなく、意識的に分散して投資することが重要です。
投資はリスクのある行為であるため、常にリスクヘッジを意識しなければなりません。しかし、投資先が偏ってしまうとリスクヘッジができなくなってしまいます。このような状況に陥らないために、ポートフォリオを作成し意識的に投資先を分散する仕組みです。
なお、中長期でのポートフォリオを考えているならば、最初から分散する必要はありません。最初はどうしても偏りが出てしまうため、計画的に投資先の分散ができれば良いでしょう。
定期的な見直し
作成したら終わりではなく、定期的にポートフォリオの見直しをしましょう。世の中の情勢は常に変化するため、それを踏まえて投資バランスを変更したりファンドを変更したりすべきです。
一度ポートフォリオを作成すると、それで満足する人が多くいます。ただ、時代の変化とともに理想的なポートフォリオは変化するため、見直しすることも意識しなければなりません。
まとめ
投資におけるポートフォリオについてご説明しました。具体的な金融商品の組み合わせを指し、分散投資を確実なものにするため作成すべきものです。
なお、ポートフォリオには王道の作り方や注意すべきポイントがあります。この点を踏まえていなければ、ポートフォリオを作成しても効果が薄れるかもしれません。ご説明した作り方やポイントを踏まえて、ポートフォリオ作りにチャレンジしてみてください。