ブロックチェーンの技術が進歩し、今ではNFTのさまざまな商品やサービスが展開されています。その中で、今話題なのがSTEPNです。
STEPNでは、ゲームをしながらお金を稼ぐことも可能ですが、問題となるのが税金についてです。STEPNで稼いだ利益には、税金がかかるのでしょうか。
ここでは、STEPNの概要や税金について解説します。
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今話題のSTEPN(ステップン/ステプン)とはどんなもの?
はじめに、今話題のSTEPN(ステップン/ステプン)とはどのようなものか、その概要から見ていきましょう。
STEPNとは、簡単にいうと、仮想通貨が稼げるNFTゲームで、スマホのエクササイズアプリのひとつです。エクササイズアプリは体を動かすことを目的としているアプリのことで、STEPNも歩くことを目的としているアプリです。
しかし、他のエクササイズアプリとSTEPNの違うところは、STEPNは稼げるということです。アプリ内でバーチャルのスニーカーを購入し、ウォーキングやジョギングすることで、エクササイズができるだけでなく、仮想通貨が獲得できます。
また、購入したスニーカーを修理して、さらに仮想通貨を稼ぎやすくしたり、売却したりすることが可能です。つまり、ユーザーは、歩くことやスニーカーの売却で仮想通貨を稼ぎ、利益を得ます。
STEPNで収益が出たら税金がかかる
STEPNは、エクササイズをしながら仮想通貨を稼げるNFTゲームです。仮想通貨を稼ぐということは、収益が出ることです。そのため原則、税金がかかります。ここでは、STEPNと税金の関係について見ていきましょう。
STEPNでは税金がかかる?
個人が1年間に収益を得た場合は原則、税金がかかります。では、STEPNで収益を得た場合は、税金がかかるのでしょうか。
STEPNはゲームをしながら収益を得られる新しい仕組みです。日本の税法では、基本的な税金の考えを示したのち、新しく出てきた仕組みに対して、個別で課税の方法について示していくものとなっています。
実は、STEPNは新しい収益の仕組みであるため、まだしっかりとした課税のルールが国から示されていません。そのため、STEPNに近い課税ルールにより、税金がかかるのかどうかを確認していくことになります。
STEPNは仮想通貨を得るNFTゲームです。そこで、仮想通貨の課税制度に則って考える必要があります。仮想通貨の課税制度に則ると、収益が出た場合には税金がかかります。そのため、STEPNで収益を得た場合も税金がかかると考えられます。
STEPNで収益が出るケースとは
STEPNで収益を得た場合は、税金がかかります。では、STEPNで収益が出るケースとして、どのようなシーンが考えられるのでしょうか。STEPNで収益が出るケースとは、仮想通貨を得るときとスニーカーを売却するときの2つです。それぞれについて見ていきましょう。
・仮想通貨を得るとき
STEPNでは、ウォーキングやジョギングによって仮想通貨を得ることができます。STEPNを始めるには、アプリをダウンロードしたり、Wallet(ウォレット)などの口座を開く必要があります。
STEPNで得られる仮想通貨は、GSTやSOLなどの通貨です。これらの通貨は、日本の仮想通貨取引所では取り扱っていません。そのため、STEPNでは仮想通貨の購入・換金ともに、海外の仮想通貨取引所を経由しなければならないので注意が必要です。
STEPNを使い、ウォーキングやジョギングをして仮想通貨GSTを得れば、税金がかかります。厳密にいうと、仮想通貨GSTなどを換金した場合に税金がかかります。
所得税では、収入の種類に応じて、所得区分が決まっています。仮想通貨を得た場合の所得は「雑所得」です。雑所得とは、事業所得や不動産所得などの他のどの所得にも該当しない所得です。雑所得の所得金額は、次の計算式で計算します。
STEPNで、仮想通貨を得た場合の収入とは、換金した仮想通貨の価格です。必要経費は、スニーカーの修理代やミステリーボックスのブースト代などです。
・スニーカーを売却するとき
スニーカーは、価値を上げて売却できます。スニーカーを売却して利益が出ると、税金がかかります。スニーカーの売却についても、雑所得になると考えられます。
STEPNで、スニーカーを売却するときの収入とは、売却代金です。必要経費は、スニーカーの購入代金や修理代などです。
今後、国税庁により、STEPNの課税について整理された場合は、違う所得区分になる可能性はあります。今後の動向に注目が必要です。
STEPNで収益が出ると確定申告が必要
STEPNで収益を得た場合は、税金がかかります。そのため、個人がSTEPNで収益を得た場合は、確定申告が必要です。ここからは、確定申告の方法について見ていきましょう。
STEPNで収益を得た場合は、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告と納税を行う必要があります。サラリーマンが確定申告をする場合には、次の書類が必要です。
- ・確定申告書A(または確定申告書B)
- ・源泉徴収票
- ・STEPNの収入や経費などが分かる書類
STEPNの収益は雑所得になります。サラリーマンで、給料とSTEPNの収益以外に他の収入がない場合は、確定申告書Aを使って確定申告します。ただし、令和5年1月からは、確定申告書Aは廃止され、確定申告書Bに統合されます。
源泉徴収票やSTEPNの収入や経費などが分かる書類を、税務署に提出する必要はありませんが、確定申告書の作成や税金の計算に必要です。特に、STEPNの収入や経費などが分かる書類は重要です。STEPNは履歴が見れないこともあるので、計算するために必要な数値を自分で残しておく必要があります。
STEPNで収益が出た場合は、収益の金額や経費の金額を帳簿などに記載しておくようにしましょう。
確定申告が必要ないケース
実は、STEPNで収入があったら、すべて確定申告が必要な訳ではありません。次のケースでは、STEPNで収入があっても確定申告は不要です。
・納める税金がないケース
STEPNで収入があっても、納める税金がなければ確定申告をする必要はありません。納める税金がないケースとは、赤字が出ている場合と、黒字があってもそれ以上の控除がある場合です。雑所得は、確定申告をして、赤字を翌年以降に繰り越すことができません。そのため、STEPNで赤字が出ている場合は、確定申告が不要です。
また、STEPNで黒字がある場合でも、生命保険料控除や扶養控除などの控除額のほうが黒字よりも大きい場合は所得金額が0円となり、納める税金がありません。そのため、確定申告は不要です。
・STEPNの所得が20万円未満のケース
会社員で副業としてSTEPNをしている場合、STEPNの所得が20万円未満のケースでは、確定申告は不要です。20万円未満の基準は収入ではなく、あくまで収入金額-必要経費で計算した所得金額であるので注意が必要です。
また、20万円未満の基準は、会社員でSTEPN以外の副業がない場合です。他の副業もある場合は、STEPNと他の副業の所得を合わせて20万円未満であれば、確定申告の必要はありません(副業の種類によっては、基準が異なる可能性があります)。
まとめ
STEPN(ステップン/ステプン)とは、仮想通貨が稼げるNFTゲームのことで、スマホのエクササイズアプリのひとつです。アプリ内でバーチャルのスニーカーを購入して、ウォーキングやジョギングすることで、仮想通貨を獲得できます。
STEPNでは、仮想通貨を得るときやスニーカーを売却するときに、税金が課されます。また、収益を得たら確定申告も必要です。STEPNは新しい収益の仕組みのため、まだしっかりとした課税のルールが、国から示されていません。今後、どのような課税の仕組みとなるのか注意が必要です。
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