11月20日(日本時間11月21日)に開幕した“4年に1度の祭典”サッカー・ W杯2022。初の冬季開催、かつ中東初となるカタール大会におけるお金事情をまとめました。
W杯初の8強を逃すも賞金は18億2000万円
12月5日(日本時間6日)に行われた決勝トーナメント1回戦にて、惜しくも敗退となった日本代表。目標としていた初の8強は逃したものの16強入りしたことで、賞金1300万ドル(約18億2000万円)を手にするそうです。
今大会でカタールは、史上最高額の4億4000万ドル(約616億円)の賞金を用意し、優勝国には4200万ドル(約58億8000万円)、準優勝国に3000万ドル(約42億円)、3位に2700万ドル(約37億8000万円)、4位に2500万ドル(約35億円)を授与するそうです。また8強が1700万ドル(約23億8000万円)、16強が1300万ドル(約18億2000万円)で、1次リーグで敗退した場合も900万ドル(約12億6000万円)もの賞金が与えられるようです。
カタールは自国の経済効果を2兆2915億円と推測
今回の開催国であるカタールは、W杯が自国経済に与える経済効果を6月時点で170億ドル(約2兆2915億円)と想定しており、この経済効果額は、2019年のカタールのGDP9.4%に相当します。大会期間中は120万人の観光客を受け入れられると見込んでおり、期間中の1カ月間はカタールの人口は293万人から43%増の400万人になるとも推測されています。
また今回のW杯開催で最も恩恵を受けるとされているのは、建設業と観光業です。会場となるスタジアムのほとんどを新たに建設し、地下鉄の整備や空港の拡張など、流通を中心にインフラ投資を行ったそうです。
スタジアム建設などの経費は32兆円〜44兆円とも言われており、2021年夏に開催された東京五輪の大会経費1兆4000億円の約30倍にものぼるようです。
日本中が盛り上がる中、高騰し続ける放送権
W杯が盛りあがりをみせている中、放送権を巡り今後の雲行きが怪しくなってきているようです。
フジテレビが6日未明に放送したクロアチア戦は、午前0時台ながら平均世帯視聴率は34.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマーク。同じくクロアチア戦を生中継したABEMAは、同日の視聴者数が2300万人を超えたと発表しました。
今回のカタールW杯の放送権を購入したテレビ局はNHK、フジテレビ、テレビ朝日の3局に加え、ABEMAのみとされています。2014年のブラジル大会まではNHKと民放が共同で放送権を購入していたものの、2018年のロシア大会ではテレビ東京が、今回は日本テレビとTBSが撤退をしたそうです。その最大の理由は「放送権の高騰」と言われています。
開催年 | 開催国 | テレビ局が支払ったとされている放送権費用(推定) |
---|---|---|
1998年 | フランス | 6億円 |
2002年 | 日本・韓国 | 185億円 |
2006年 | ドイツ | 140億円 |
2010年 | 南アフリカ | 170億円 |
2014年 | ブラジル | 240億円 |
2022年 | カタール | 350億円 |
また、放送権とは別に、情報番組でW杯の映像を扱う際にも使用料が別途発生するそうです。日本テレビとTBSはニュースで映像を使うために1.5億円を支払ったとされ、購入しなかったテレビ東京は静止画像しか使えなかったようです。
W杯の放送権料の高騰は今後も続くと予想されており、その背景には、出場国が年々増えていることも影響しているとみられています。
4年後の2026年に開催されるW杯では、開催国がカナダ・メキシコ・アメリカの3カ国、出場国が現在の32カ国から48カ国へと増加する見込みです。出場国や地域が増えることで試合数が増え、放送権料が高騰するとされています。