昨年12月に発表した「防衛費増税」に続き、年頭所感で突如打ち出した「異次元の少子化対策」で世間を賑わせている岸田政権。2022年の全国の出生数が初めて80万人(2021年は81万人で過去最低数)を割り込む見通しのなか少子化対策は必須とされていますが、気になるのはその財源です。2021年の総裁選で「10年程度は消費税率を上げることを考えていない」と明言していた岸田首相ですが、水面下では増税スケジュールを進めているとも言われています。
岸田首相が目論む「大増税」スケジュールとは
政府は2022年12月、23年〜27年度までの防衛関連経費の総額を43兆円程度とすることを閣議決定しました。これは、現行の中期防衛力整備計画(19年度からの5年間)の総額27兆5,000億円の1.6倍という、過去最大の増額となります。
単純計算で、現在、国民1人当たりの防衛費の負担額は年間約4万円となっているところ、これが2027年には約7万円となり、3万円程度の負担増となる見込みです。
防衛費増額の財源確保策としては、「復興特別所得税」の延長や、「所得税」「たばこ税」「法人税」などで1兆円増税でまかなうとされており、2024年から段階的に実施する方向で進めているようです。
また、10月から導入予定のインボイス制度が、税率引き上げの布石になるのではないかという見方もあり、有識者からは「品目によって税率を変える方法で消費税が上げやすくなる。インボイス導入をきっかけに消費増税議論が加速する」という意見も出ているそうです。
今後予定されている増税スケジュールは下記の通りです。
2023年 | 4月 | 国民健康保険料の上限を 2万円引き上げ |
---|---|---|
自賠責保険料の引き上げ | ||
10月 | インボイス制度導入 (消費税引き上げ議論開始) |
|
2024年 | 4月 | たばこ税増税 |
法人税増税 | ||
所得税増税 | ||
復興特別所得税の期間延長 | ||
年内 | 後期高齢者医療保険の保険料上限を年73万円に引き上げ | |
高齢者の介護保険の自己負担を1割から2割に | ||
国民年金の加入年齢を60歳から65歳に引上げ決定 | ||
2025年 | 結婚子育て資金の一括贈与を廃止 | |
後期高齢者医療保険の保険料上限を年80万円に引き上げ | ||
2026年以降 | 教育資金の一括贈与の廃止 | |
生前贈与の相続税加算期間を延長 | ||
退職金の非課税枠を縮小 | ||
厚生年金の支給減額 |
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まとめ
数々の「倍増」を掲げている岸田政権ですが、今後消費税が増税されることで、私たちの暮らしや仕事に直接影響しそうなものが多くあります。引き続き動向を注視しましょう。