〝キング・オブ・ポップ〟とも称された故マイケル・ジャクソンの遺産管理財団が、出版や楽曲収入などに関する権利の50%を8億~9億ドル(日本円で約1050億~1180億円)で売却する交渉を進めていることが分かりました。
相次ぐビッグネームの楽曲売却
近年、音楽業界ではストリーミング配信の利用拡大に伴い、楽曲を巡る権利の価値が上昇しています。ストリーミングサービスの普及を背景に、低金利下で資金の行き場を探していたファンドなどが、利回りの確保ができる安定した投資先として音楽著作権に魅力を見いだしているようです。
最近では
・ボブ・ディラン
∟全作品の権利を約3億ドル(日本円で約393億円で売却)
・ブルース・スプリングスティーン
∟全作品の権利を約5億ドル(日本円で約655億円で売却)
・ジャスティン・ビーバー
∟2021年までにリリースした全291曲を2億ドル(日本円で約260億円)
など、多くの大物アーティストが楽曲の権利を相次ぎ売却して話題となっています。
遺産管理団体によると、「マイケルの音楽出版権をすべて売却する意向はなく、財団と売却先のソニーが50%ずつ所有するが、カタログ楽曲の管理は財団側が完全に支配することが条件」としています。
前述したアーティストの売却金額と比較しても、マイケル・ジャクソンの場合は権利の50%だけでも1000億円超えとなっており、これまでで「最大の取引金額」になる可能性があります。