3月2日に行われた自民党の「教育・人材力強化調査会」で、子育て世代の教育費負担の軽減に向けて内容を固めたことが明らかになりました。その気になる内容とは、学生時代に奨学金制度を受けた人が子どもを出産した場合、返済額を減免するというもの。政府が3月末を目途にまとめる「異次元の少子化対策」の原案への反映を目指すとしています。
奨学金制度とはなにか
「奨学金制度」とは、主に経済的な理由により就学が困難な学生に対し、必要な学費や生活費などの経済的支援を行い、就学しやすい環境をサポートすることを目的としています。
高校や大学の学費は、国公立であっても決して安くはありません、私学となればさらに高額になりがちです。また、家を出て一人暮らしともなれば学費のほかにも家賃や食費、光熱費などがかかります。これら多額の費用負担を考えた結果、進学をあきらめてしまうケースが考えられます。進学を希望する学生が就学する機会を失うことがないよう、経済的にサポートしていこうというのが「奨学金制度」の目指すところです。
ただし、奨学金は返済が必要な場合があるため、借り過ぎには注意が必要です。多くの学生が奨学金を借りる日本学生支援機構では、貸与終了後の翌月から7カ月目より返還が始まります。月々の返還額は平均で約1万6000円で完済までの期間は平均で約15年とされています。
奨学金の返済に困った場合は、返済猶予や減免制度があることも知っておくと良いでしょう。
奨学金制度については、「奨学金の種類はどれくらいある?各種奨学金制度について解説」をご覧ください。
なぜ奨学金返済と出産を結び付ける?
奨学金返済と子どもの出産を絡めた案の狙いとして、自民党は20代~30代前半の子育て時期と奨学金の返済時期が重なるとし、返済額を減らして子どもの教育にお金を掛けられるようにするとしています。
また、2022年の出生数が初めての80万人割れとなり、歯止めがかからない少子化対策の1つとして議論をしているようですが、SNS上では、「免除ではなく、減免?」「出生率を上げたいのであれば、出産や育児に対する新たな給付策や大学など教育費無償化をなぜ打ち出さないのか」という批判の声が多くでています。
「異次元の少子化対策」が注目されている中、今後どのような内容になるのか注目のニュースです。
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