大手電力会社7社による家庭向け電気料金の値上げについて、「電力・ガス取引監視等委員会」は3月3日の審査会合で、値上げ幅の根拠となる為替や燃料の輸入価格を直近のデータに基づいて算定し、引き上げ幅の圧縮を目指す方針を固めたようです。これにより早くても4月からと予想されていた家庭向け電気料金の値上げが5月以降にずれ込む見通しとなったようです。
電気料金引き上げは5月以降に 値上げ幅圧縮も
2月24日に行われた「物価・賃金・生活総合対策本部」の会合で、岸田首相が「4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧な査定による審査を行ってほしい」という発言をしたことを受け、経済産業省は「厳格・丁寧な審査」をすると表明していました。
政府は2月分から、電力会社への補助金を通じて家計の電気料金を実質値下げしていますが、それは電力各社による先行きの2割の電気料金の値上げを予め想定したもの。しかし、現在申請されている幅で電力料金が値上げされれば、政府の対策の効果を含めても電力料金は上昇し、結果的に家計に負担が生じることになるようです。値上げ幅の圧縮については、平均値を2022年11月~2023年1月で算定するのが妥当だと議論したようで、この直近3カ月で燃料費を再試算したところ、北海道で225億円減、東北で139億円減など、北陸を除き各社とも申請段階から圧縮が可能との結果が出たそうです。東京は他社からの購入電力料で2536億円圧縮できるとしています。政府は値上げ圧縮に加え追加の対策を3月中にもまとめる方針のようです。
電気料金の値上げが先送りになりつつあることを受け、SNSでは「電気料金値上げに待ったをかけたが、それも選挙対策。選挙が終われば間違いなく電気料金を上げる。」など4月の統一地方選挙を意識しての先送りなのではないかという声が多くでています。
家計を直撃している電気代の高騰は、しばらく続きそうです。