「株主優待で株主として特典を受けたい」という方は多いでしょう。日本は株主優待制度を実施する企業が多く、一定数以上の株式を保有すると自社製品・サービスを受け取る事ができます。株主優待の仕組み・もらう方法、魅力的な株主優待5選、体験談や注意点を解説していきます。
株主優待とは?仕組みともらう方法
株主優待は企業が株主に商品・サービスを贈る制度
株主優待とは、企業が自社の株を保有する株主に対して商品・サービスなどを提供する制度です。自社の商品以外に、カタログギフトやクオカードがもらえる企業もあります。
配当金と優待を同時にもらえる企業もあり、高利回りの優待を出す企業も存在します。
海外でも「Shareholder Perks(株主特典)」という株主優待に相当する制度が存在します。ただし、株主優待制度を設ける企業は日本が最も多く、海外を含む個人投資家に人気が高いです。
株主優待だけではなく、株主総会に出席する事でお土産がもらえる企業もあります。
どうすれば株主優待がもらえるのでしょうか?
「権利付最終日」までに株式を買い付けると株主優待がもらえる
株主優待は「株主優待の割当日」に株主として名簿に登録されていると、受け取る事が可能です。
株主の「権利確定日」が「株主優待の割当日」に設定されている企業が多いですが、異なる会社もありますので事前に確認しておく必要があります。
株式は証券会社から購入します。
証券会社で株式を購入した日(約定日)から受け取る日(受渡日)までに2~4営業日がかかります。実際には「権利付最終日」と呼ばれる日までに株式を買い付け、保有します。
27日(木) | 権利付最終日:優待のための最終購入日 この日までに現物株式を買付けることで、株主優待の権利が得られる |
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28日(金) | 権利落ち日 この日に売却しても権利がなくならない |
29日(土) | 非営業日 |
30日(日) | 非営業日 |
31日(月) | 割当日 この日に株主として登録されていると株主優待がもらえる |
株主優待に興味のある方は、気になる企業の「権利付最終日」をチェックしておきましょう。
魅力的な株主優待5選
日本では多くの企業で株主優待制度がありますが、特に魅力的と思われる企業5つの優待の条件や内容を紹介していきます。
企業名 | 株主優待の条件・内容 | 割当日の属する月 | 配当金 |
---|---|---|---|
ANA | 100株以上 ANA国内全路線の片道1区間が「株主優待割引運賃」で購入できる ANAグループ各社・提携ホテルで使える優待クーポン18枚 |
3月・9月 | 2020年以降は無配当 |
クリエイト・レストランツ・ホールディングス | グループ店舗で利用できる優待券を年2回贈呈 グループ店舗にはそば屋・パン屋・しゃぶしゃぶ・寿司店などがある (1回につき) |
2月・8月 | 2021年は無配当、2022年以降はあり |
イオン | 100株以上保有で「オーナーズカード」が発行される。 オーナーズカードで買い物をすると、持ち株数に応じて3・4・5・7%のキャッシュバックがある |
2月・8月 | あり |
VTホールディングス | 100株以上の株主に新車・中古車購入時利用優待券・車検時利用優待券・レンタカー利用割引券など4種の優待券を贈呈 | 9月 | あり |
キリンホールディングス | ビール・飲料・ワインなどの自社商品や食事券がもらえる。内容は毎年異なる。 <例> 100株以上1,000株未満 キリンビール詰め合わせセット合計4本 1,000株以上 キリンビール詰め合わせセット合計12本 |
12月 | あり |
自社のお酒・飲料がもらえる、優待券で食事ができる、車検やレンタカーが割引になるなどの特典があります。
株主優待の注意点
株主優待はあくまで「特典」であることを理解する
株主優待は企業が株主に贈る「プレゼント」です。
会社の業績によっては優待の内容がランクダウンする、優待がなくなる可能性があります。
また、株価の動きによっては優待による恩恵を受けても、それ以上に損失が生じてしまう事態も想定されます。
株主優待はあくまで「特典」です。優待目当てで損をしないためには、株価の上昇を見込み業界・企業の分析を行い「資産を殖やす事」を目的にしましょう。
優待利回りが高すぎる企業は慎重に検討を
「優待利回りが高いと得」と感じ、株式の購入を検討する方は多いでしょう。
優待や配当の利回りが高い企業の中には、株式の価額が年々下降している会社も存在します。一般的に優待や配当の利回りが高い企業は、既に成熟した業種・安定した業績の会社が多い傾向にあります。業績が拡大している企業は配当を出さない分、設備投資に資金を投入し業績および株価を伸ばす事例が多いです。
必ずしも「優待・配当の利回りが高い企業は業績が伸びない」という訳ではありませんが、購入時には慎重に検討しましょう。
株主優待の体験談
筆者の両親は外食系の企業を中心に株を購入し、株主優待として主に食事券をもらっています。
例えば上記に挙げた「クリエイト・レストランツ・ホールディングス」や「すかいらーくホールディングス」などです。筆者も一緒に「ガスト」や「ごまそば遊鶴」で外食を楽しんでいます。
両親は10年以上株式投資をしていますが、すかいらーくホールディングスなどコロナ禍で優待がグレードダウンしてしまった企業や優待が廃止されたケースもあるそうです。
また、優待を目当てに株を購入したものの価額が下がり損切りをしてしまった経験があると述べます。
両親は「投資の目的はあくまで資産を殖やす事だから優待はおまけと考えた方が良い」と言っていました。
加えて日本の株式は100株が1単元ですので、価額によっては数百万円分の株式を保有し続けることもあります。
しかし、「株を持っているだけで食事ができるお得感が嬉しい」そうでこれからも株主優待を続けていくとの事です。
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まとめ
「権利付最終日」に株主優待を行っている企業の株を保有していると自社製品・サービスなどをもらうことができます。「資産を殖やす事が目的」を意識しながら、株主優待を楽しんでいきましょう。