2023年2月に引き続き、原材料価格等の高騰を背景に、食品の値上げが相次いでいます。4月18日に大手調査会社の「帝国データバンク」が発表した主要食品メーカー195社を対象とした調査によると、2023年4月には食品や飲料品約5,116品目が値上げされ、5月以降も2022年の同時期の倍にあたる3,600品目を上回る水準で値上げが予定されているようです。
今年度もまだまだ止まらぬ食品値上げ
帝国データバンクの調査によると、2023年に値上げする食品や飲料は、4月18日時点で累計2万3品目に到達したそうです。
2022年に2万品目の値上げが判明したのが7月だったのに対し、2023年は4月と3カ月早く到達したことがわかり、今後は2022年を超える勢いで価格転嫁が進んでいくとみられています。値上げのペースは、昨年よりも加速しているということもあり、帝国データバンクは「原材料価格の高騰に加えて、輸入小麦の価格改定で今後、パンや麺製品の価格が上がる可能性もある。また、電気代の高騰も価格の上昇圧力の要素となり、頻繁で断続的な値上げの動きは10月ごろまで長引く可能性もある」としています。
4月に値上げされる食品や飲料は「再値上げ」や価格を変えずに内容量を減らす「ステルス値上げ」を含めて、5,116品目となっています。
品目別で最も多いのは「加工食品」で、全体のおよそ4割を占めていて、具体的にはハムやソーセージのほか牛乳やバターといった乳製品などが値上げされます。
5月以降は5,220品目の値上げが予定されており、5月は793品目、6月は海苔や鰹節などの出汁製品、鳥インフルエンザの影響で供給不足となり価格高騰が続く卵など2,859品目が値上げする見通しのようです。
4月1日以降に実施される主な値上げ食品
・ハム、ソーセージなどの加工食品(日本ハム、伊藤ハム、プリマハム):約5~20%値上げ
・醬油、濃縮つゆ、マヨネーズなどの調味料(キッコーマン、ヤマサ醬油、キューピー、味の素):約5~21%値上げ
・ヨーグルトやプロテイン飲料、チーズなど201品目(明治):1.8%~13%値上げ
・スナック菓子6品の内容量を減らし、実質値上げ(ハウス食品)
・国産ワインと輸入ワインの91品目(サントリー):4.7%から29.7%値上げ
・輸入洋酒など16品目(キリンビール):店頭価格で7%~22%値上げ
一世帯あたりの食費は、昨年よりも「年間2万6000円」の負担増に
帝国データバンクによると、4月以降の食品や飲料の値上げによって、2人以上の世帯では平均で年間およそ2万6000円負担が増えるという試算を明らかにしました。
それによると、2人以上の世帯では、前年度に比べて1カ月当たり平均でおよそ2,140円、年間では平均およそ2万6000円負担が増えると試算しています。
値上げの動きが本格化した2021年度と比較すると、1カ月当たり平均でおよそ3,110円、年間では平均およそ3万7000円負担が増すとしています。