物流業界では2024年4月に改正労働基準法が施行され、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間(月80時間)に制限されます。労働環境が改善される一方で、1人が運べる荷物の量が減るほか、運送事業者の売り上げの減少、ドライバーの収入減など、さらに人手不足が加速すると予想されており、物流の「2024年問題」への対応が急務となっています。
※記事の内容は2023年4月19日時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。
物流の2024年問題とは
2024年問題とは、働き方改革関連法により2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の制限に加えて、トラックドライバー1人あたりの拘束時間が現状の1日最大16時間以内から15時間以内に制限されることによって発生する問題を指します。
これまでトラックドライバーの労働環境は、長時間労働の慢性化という課題を抱えていました。
2024年の法施行では、自動車運転業務における年間時間外労働時間の上限を設定することでトラックドライバーの労働環境を良くしようという狙いがあるそうです。
詳細については、「迫る物流業界の「2024年問題」 慢性化するドライバー不足に政府が緊急対策を検討」」をご覧ください。
“2024年問題”対応か ヤマト運輸が宅急便などの配達を1日遅く見直し
物流最大手のヤマト運輸は、これまで「翌日」としていた宅急便の配達を2023年6月1日から一部地域で「翌々日」にすると発表しました。
引用:一部区間における宅急便などの「お届け日数」と「指定時間帯」の変更について【ヤマトホールディングス】
対象となるのは、首都圏から中国・四国地方の一部と岩手県から関西地方、富山県と静岡県から福岡県へと配送される荷物となります。対象サービスとなるサービスは、宅急便・宅急便コンパクト・EAZY・ネコポス・JITBOXチャーター便など。
ヤマト運輸が サービス変更をした背景には、ドライバー不足があるようです。配送体制の見直しで、ドライバーの負荷軽減などに繋げるとしています。
物流業界では、2024年4月から人手不足のさらなる深刻化が懸念される、いわゆる「2024年問題」への対応が課題となっています。
こうした課題に備えた動きとみられ、今後、配送を遅らせる動きが広がることも予想されます。