現代では、eスポーツという新しいスポーツ分野が急速に注目を集めています。さまざまな方法でマネタイズできるため、注目する経営者も多いです。
しかし、eスポーツ事業にもコストがかかります。ただ、eスポーツ事業ではどのような費用を経費計上できるのか、イメージが難しいですよね。
この記事では、どのような費用を経費にできるのかなど、eスポーツ事業の経費について詳しく解説します。また、eスポーツ事業の収益源や需要についてもお話しします。
最後までご覧いただくことで、eスポーツの経費に関する悩みが解決するでしょう。
eスポーツ事業で経費にできるもの
eスポーツ事業においては、必要性や合理性に応じて、経費として認められる費用があります。ただし、その範囲は限定されているため、以下の見出しで実際にどのような費用を経費計上できるのか確認しましょう。
パソコンや机など設備にかかる費用
パソコンや机など、eスポーツ事業を行うための設備投資費用は、必要不可欠なものであるため、経費として認められます。パソコン以外にも、キーボードやマウス、モニターなど、パソコン周りのアイテムの購入費用も経費計上できます。
家賃・光熱費・通信費
家賃、光熱費、通信費も、eスポーツ事業で必要な経費として認められます。ただし、実際に事業として利用する範囲に限定されますので注意が必要です(家事按分)。また、経費として認められる範囲は、個人事業主よりも法人の方が広いです。
ゲーム機やコントローラーなどゲームで使うもの
ゲーム機やコントローラーなどの設備は、eスポーツ事業に必要なものであるため、経費として認められます。ただし、プライベート兼用のものは事業用と私用の区別を明確にすることが難しいため、経費計上する場合は要注意です。
人件費
人件費も、eスポーツ事業の必要経費です。人件費の例として、主に以下のものが挙げられます。
- メンバー
- 監督
- コーチ
- トレーナー
- 補欠
- マーケティング・営業・経営者
- 経理・税理・法務担当者
- スカウトマン
広告宣伝費
広告宣伝費も、eスポーツ事業の必要経費として認められます。eスポーツ事業の拡大に関して、広告宣伝活動が重要な役割を担っています。したがって、広告宣伝費の経費計上は基本的に問題ありません。
広告宣伝費がかかるものとしては、主に以下のものが挙げられます。
- オウンドメディア設置・運営
- 会社のロゴ
- ロゴ入りTシャツ
- チラシ
- SNS広告
- リスティング広告
ゲーム仲間との交際費
ゲーム仲間との交際費も、その場で行った情報交換などが事業に必要と認められる場合、経費に算入できる場合があります。例えば、ゲーム仲間との食事会や合宿費用などです。
ただし、ゲーム仲間との交際費についてはプライベートとの区別を明確にしづらいため、経費計上可能かどうかの線引きが厳しめです。
その他経費にできるもの
これまで紹介してきたもの以外にも、事業に関係する以下のものも経費にできます。
- eスポーツ用ユニフォームの製作費や購入費
- スマホゲーム内課金(アイテム購入やガチャなど)
- 大会などゲームイベントへの交通費や現地滞在費
- ゲームイベント運営費用
eスポーツ事業で経費にできないもの
eスポーツ事業においても、不必要なものや個人的な支出は、経費として認められません。例えば、私的な旅行費用や買い物代、私用も兼ねている衣類などが該当します。
本来、経費計上できないものまで経費にしてしまうと、税務調査に入られるリスクが高まるります。経費にできるかどうかの判断が難しい場合は、税理士に相談するのがおすすめです。
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賞金にも税金が課される
eスポーツ事業は、大会やイベントで得られる賞金などの報酬を一つの収益源としています。国内大会では数万円から数百万円が平均的な賞金の相場と言われていますが、規模の大きな海外大会では賞金が数十億を超えるものも存在します。その賞金にも所得税が課せられます。個人事業主として活動する場合は事業所得、企業所属の場合は給与所得の対象となります。(趣味や副業で営利目的でない場合は一時所得の対象。)
海外で得た賞金にも税金はかかる?
海外で得た賞金についても、日本の居住者の場合は、日本の所得税法に基づいて課税されます。つまり、納税は外国ではなく、日本に対して行います。
ただし、大会が開催された国の制度によっては、日本で納税する前に外国で源泉徴収されている可能性があります。その場合その国と日本へ、税金を二重負担することになってしまいます。
そのような場合、「外国税額控除」という制度によって、一定金額を限度に、外国で納めた税額を日本国内の所得税額から差し引くことができるため、実際に納税するのは、本来日本へ納税する分のみです(参照:外国税額控除|国税庁)。
税理士に相談したほうがよい?
賞金には所得税が課せられますが、特に海外で賞金を獲得した場合、外国税額控除制度を利用できるかどうかは専門的な知識も必要になってきます。
そのため、不安がある場合はぜひ税理士に相談しましょう。税理士に相談することで、税務調査のリスクを抑えたり、節税対策を考えてもらえたりするというメリットもあります。
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そもそもeスポーツ事業は儲かる?
海外に比べて日本ではまだ認知度が高いとはいえないため、eスポーツ事業は儲からないのでは?という声もありますが、eスポーツ業界では、さまざまなビジネスモデルでマネタイズできる可能性があります。例えば観客動員や広告収入、スポンサー契約などで収益を得ることが可能です。
そのため「eスポーツ事業は儲からない」という意見は、必ずしも正しいとはいい切れません。
eスポーツ事業の収益源
eスポーツ事業では、多くの収益構造から利益を上げられる可能性があります。現時点では、主に以下の方法で稼げる可能性があります。
- 大会の賞金
- 案件受注
- スポンサー企業からのスポンサー料や広告宣伝費
- ゲームイベントやテレビ番組などの出演料や講演料
- 自社でゲームイベントを開催した際のイベント費
- ゲーム関連の専門学校などでの講師料
- ゲーム雑誌やサイトでの原稿料
- ゲーム関連グッズのプロデュース料や販売費
- YouTube・Webサイトでの広告収入
- アフィリエイト収入
- 自社商品販売
eスポーツカフェは需要がある
また、最近ではeスポーツカフェも注目を集めています。eスポーツカフェとは、eスポーツファンやプレイヤーが集まり、交流を深められるカフェのことです。
eスポーツカフェには、主に以下のような魅力があります。
- 高性能ゲーミングパソコンでゲームを楽しめる
- 配信活動もできる
- 大会やイベントが実施される
- カフェメニューやドリンクバーがあるため長時間の滞在がしやすい
新規事業としてeスポーツカフェに興味がある経営者も居るかと思います。
実際に、近年ではeスポーツカフェが日本国内でも増加しており、需要が高まっています。
最近では、2023年(令和5年)2月13日にeスポーツカフェ「AIM」が、埼玉県大宮市にあるアミューズメント施設「DiCE大宮店」内に出店することが決まりました。
このように、eスポーツの人気の高まりに伴い、eスポーツカフェも続々展開しているため、これから始めるのはよいチャンスである可能性があります。
一方でeスポーツカフェは運営コストが高く、簡単に撤退できないというデメリットもあるため、よく検討しましょう。
まとめ
eスポーツ事業には、観客動員や広告収入、スポンサー契約など、多様な収益源があります。
一方で、eスポーツ事業には人件費や大会運営費用がかかるため、経営者にとっては適切なコスト管理が求められます。
さらに、賞金には税金がかかるため、適切な税務対策が必要です。もし税務対策でお困りの際は、税理士への相談が有効です。
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