政府は、3月31日に「異次元の少子化対策」のたたき台を発表しました。
政府が発表したたたき台では、2022年に生まれた子どもの数が80万人を下回り、過去最少を更新したことを踏まえ、2030年までを少子化対策のラストチャンスと位置づけ、2024年度からの3年間に集中して取り組む政策を「こども・子育て支援加速化プラン」として推進するとしています。
次元が異なる少子化対策 その中身とは
たたき台では、2024年度からの3年間を集中期間として①経済的支援の強化②保育サービスの拡充③働き方改革と3つの柱に分け、少子化対策に取り組むようです。
1つ目の柱「経済的支援の強化」
世帯主の年収が960万円以上なら5,000円に減額し、1200万円以上の所得がある世帯には支給しないとしている児童手当の「所得制限」を撤廃し、対象年齢を18歳(高校卒業)までに延長するとしています。
児童手当については、「2022年10月に設定された「児童手当」の所得制限が撤廃?対象年齢引き上げも検討へ」をご覧ください。
さらに子どもが3人以上の多子世帯への支給額を諸外国の制度も参考に見直し、増額する方針のようです。その他「出産費用の保険適用」「給食費の無償化」「住宅支援」についても盛り込むとしています。
2つ目の柱「保育サービスの拡充」
保育士の配置基準を75年ぶりに見直すことを掲げ、1歳児と4・5歳児の保育士の配置基準を改善するとしています。1歳児については「子ども6人に保育士1人」から「5人に1人」に、4・5歳児については「30人に1人」を「25人に1人」とするようです。
また保育所の利用要件を緩和し、親が就労していなくても子どもを時間単位などで預けられる「こども誰でも通園制度」の創設を検討するとしています。
3つ目の柱「働き方改革」
出産後一定の期間に男女とも育児休業を取得した場合、休業前の手取り収入の10割を給付することなどを決めました。
その他子どもが2歳になるまでの間、時短勤務を選択した場合にも手取り収入が変わらないようにする給付制度や育休を取得した人の職場の同僚にも「応援手当」を支給するなど、育休を取得しやすい体制を整備した中小企業への助成措置を大幅に強化するとしています。
産後パパ育休については「「産後パパ育休」の給付引き上げで実質10割支給に!17日にも政府が表明か」をご覧ください。
政府は、今回のたたき台をもとに、施策の詳しい内容や予算規模、具体的な財源などを6月の「骨太の方針」の策定までに取りまとめる方針としています。