2023年6月19日、日経平均株価は一時、33,772.89円に到達し、バブル崩壊後の最高値を更新しました。
この水準は約33年ぶりの株価水準で、その背景には同年4月に来日した「投資の神様」と呼ばれているウォーレン・バフェット氏の影響が関係していると言われています。
バブル後最高値の水準まで日本株が上昇した理由
ウォーレン・バフェット氏は2023年4月に来日し、日本株へのさらなる投資意欲を明らかにするとともに、投資先である総合商社や日本市場などへの期待感を示しました。その結果、これまで以上に日本株に対する海外投資家からの注目が集められたのです。
現に、三菱商事の2023年3月までの1年間の最終利益は、初めて1兆円を超えて2年連続で商社のトップとなりました。また、住友商事や丸紅も過去最高利益を更新するなど、日本の5大商社は成長し続けています。
日本株が1970年7月以来、約33年ぶりの水準まで上昇した理由には、以下の要因が考えられています。
- ウォーレン・バフェット氏が来日して日本株へのさらなる投資を示唆したことで、海外投資家からの注目が集まったこと
- アメリカの「債務上限問題」の適用を2025年1月までに停止することが決まり、株式市場に安心感が広がったこと
- コロナ禍から本来の経済への進展に期待されていること
- 令和5年1~3月期の実質国内総生産(GDP)が市場の想定を上回ったこと
このように、日本株はウォーレン・バフェット氏の来日を含めたさまざまな要因が重なったことで、バブル後の最高値を更新しました。
また、投資の観点においても、日本株は世界の株式市場からみて割安株として考えられていることや、東京証券取引所が国内上場企業に出している改善要請も日本株の上昇に関係していると考えられています。
というのも、コロナ禍の中で上昇傾向にある割高の米国株とは違い、PBRが1倍以下で放置されている株が日本に多く存在しているからです。
PBRとは、数値が低いほど投資額以上の利益を回収できる目安の基準で、一般的には1倍を下回ると割安と判断されます。そして、東京証券取引所は、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている国内上場企業に対して、資本効率改善や企業価値の向上に向けて改善要請を出しています。
このように、世界の投資家から注目されていることも日本株の上昇となった要因です。
しかし、バフェット効果などの要因が重なって日本株が上昇する一方で、日本経済が海外経済に比べて劣っていることや円安の進行などの点から、今後の日本経済をさらに発展させるには、賃金上昇など経済の好循環が必要であると言われています。
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