千葉銀行など3社が業務改善命令となった「仕組み債」の実態とは | MONEYIZM
 

千葉銀行など3社が業務改善命令となった「仕組み債」の実態とは

2023年6月23日、関東財務局は「千葉銀行」と、その子会社にあたる「ちばぎん証券」「武蔵野銀行」に対し、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出しました。

「仕組み債」とは?金融庁が「仕組み債」を問題視している理由

そもそも「仕組み債」とは、通常の債券よりも高い利回りが期待できるため注目を集めている投資商品です。しかし、通常の債券は、発行体が債務不履行(さいむふりこう)にならない限りは償還日に元本が支払われる一方で、「仕組み債」は元本が保証されていないなどのリスクがあります。
 

このように、「仕組み債」は高いリターンが期待できる金融商品である一方で、元本割れのリスクや仕組みの複雑さなどのリスクも注意しなければいけません。
 

「仕組み債」は、これまで個人投資家に対しての販売には適さない金融商品と問題視されていましたが、「仕組み債」での金融庁の処分は今回が初めてとなります。
 

金融庁が問題視している理由は、以下のとおりです。
 

  • 「仕組み債」はさまざまな要素が含まれていて複雑であり顧客が理解しにくいから
  • 「仕組み債」の手数料は早期償還と新規購入のたびに手数料を支払うことになり個人投資家への手数料の負担が大きいから

 

このように、「仕組み債」は投資難易度の高さや、通常の債券とは異なるリスクがあることから金融庁が問題視しているのです。
 

そして、今回注意喚起を受けた「ちばぎん証券」は、投資経験の浅い顧客に対して元本割れのリスクや仕組みなど十分な説明をしないまま「仕組み債」を販売したとされています。
 

また、「千葉銀行」「武蔵野銀行」では顧客の投資方針を十分に配慮せず、高い利回りを強調し、ちばぎん証券で「仕組み債」を購入するようにうながしていました。
 

他にも、この3社は顧客の利益よりも手数料を優先したことが監視委員の調べによってわかっています。

今回「仕組み債」で注意喚起を受けた「千葉銀行」「ちばぎん証券」「武蔵野銀行」は、「厳粛に受け止め、改善・再発防止に取り組む」とコメントしています。

澤田泰弥
神奈川横浜市を中心に活動しているWebライターの澤田です。2023年3月にFP3級を取得、2023年7月にFP2級を取得しました。新しく身につけた専門知識を活かし、あなたの悩みを解決できるわかりやすい記事を目指しています。
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