内閣府は、都内大学生が卒業後に地方の中小企業へ就職する場合、移住支援金を支給する方針を固めました。給付金は単身で最大60万円、世帯ごと移住する場合は最大100万円です。また、地域課題の解決につながる事業を移住先で起業する場合は、最大300万円までの給付額とすることも検討しています。
都内大学生に対する地方中小企業への給付金の背景と内容とは
今回の給付金拡充は、人材の東京一極集中の解消と若年層に対する経済的な支援が主な目的となっています。
特に東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)においては、27年も連続で転入超過しているのです。
→転出人数(別の地域へ出ていった人数)よりも転入人数(別の地域から移り住んだ人数)の方が多いこと。地域内の人口が増えていることを意味している。
コロナ禍で一時的に転入者は減ったものの、増加傾向に戻りつつあり、総務省の住民基本台帳人口移動報告(2022年)によると、転入超過数は前年比1万7,820人 でした。2017年に内閣府が行った調査によると、特に20代の東京圏への移動理由は就職が多く、地方の中小企業に就職するメリットを感じていないと考えられます。
また、現在の若年層は奨学金の返済や物価の上昇などで、金銭的な負担を感じている人が多くいるのが実情です。
この現状を鑑みて、政府は今回の給付金の方針を固めました。給付対象は東京圏在住で、東京23区内の大学を卒業した人を想定しています。なお、現行の移住支援金の制度では、東京圏でも下記の地域は給付金がもらえる移住先として扱われています。
・埼玉県:秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、神川町
・千葉県:館山市、旭市、勝浦市、鴨川市、富津市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、東庄町、
九十九里町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町
・神奈川県:山北町、真鶴町、清川村
引用:移住支援金❘ 内閣府
現行の移住支援金の申請は、移住して就業した後に、移住先の市町村で手続きできます。移住金申請は移住後から3カ月以上1年以内であること、また移住先の市町村に、申請日から5年以上、継続して居住する意思を有していること、などの条件があるので注意してください。
都内大学生向けの給付金は2024年度予算の概算要求に盛り込まれる予定なので、翌年以降から実施される見通しです。
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