7月1日から東京都内の銭湯料金が値上げされました。2021年に10円、2022年には20円と値上げされ、今年で3年連続の値上げとなります。今回値上げをしたのは12歳以上の大人料金で、20円引き上げられ520円に変更となりました。相次ぐ値上げの背景には、お湯を沸かすための燃料費の高騰や人件費の上昇、シャンプーやボディーソープなどの価格上昇があげられます。昨今の物価高の影響は、このようなところにも及んでいるようです。
ウクライナ問題や物価上昇の影響で、来年も銭湯料金の値上げは続く?
そもそも銭湯料金は誰が決めているのかというと、事業者ではなく、各都道府県知事が決めているようです。これは1946年に施行された「物価統制令」に基づくものです。物価統制令は、戦後間もない物価高騰を抑制するために制定された法律で、銭湯料金もその対象となっています。経済の復興とともに統制は徐々になくなり、1952年ごろにはほぼ撤廃されました。現在残っているのは銭湯料金だけです。
東京都の場合は、東京都公衆浴場条例で料金の上限が定められています。そのため、入浴料金を自由に上げられません。
一方、スーパー銭湯や日帰り温泉、サウナなどの「その他の公衆浴場」は、自由に入浴料金を決められます。
銭湯料金の設定は、各都道府県知事が「公衆浴場入浴料金の統制額の指定等に関する省令」に基づいて行っています。この省令では、銭湯料金の設定基準として以下の事項が定められています。
- 原材料費
- 人件費
- 光熱費
- 維持管理費
- 利潤
各都道府県知事は、これらの基準を参考に銭湯料金を設定しているようです。
銭湯の経営には、水道代やガス代、電気代、人件費など、多くのコストがかかっています。特に、燃料費の高騰は銭湯経営にとって大きな打撃となっているそうです。燃料となる原油価格は、2022年に入り急激に上昇し、2022年3月には1バレル当たり130ドルを超えました。これは、2008年の世界金融危機以来の高値となるそうです。また、銭湯は人手不足にも悩まされています。清掃や接客など、多くの人手が必要となります。しかし、近年は少子高齢化に伴い、労働人口が減少し、銭湯の人手不足が深刻化しています。
人手不足は、銭湯の運営に支障をきたし、経営も圧迫しているようです。
ウクライナ問題の影響などで、ここ数年の物価は上がり続けています。銭湯料金については、毎年料金の見直しがされるとのことですが、来年も値上げがされるのか引き続き動向を注視しましょう。