総務省は8月1日に、ふるさと納税制度による2022年度の寄付総額が、前年度比2割増の約9654億円で、3年連続で過去最高を更新したと発表しました。寄付件数は前年度比2割増の約5184万件で、14年連続で過去最多を更新したそうです。
2022年度のふるさと納税で最も寄付額が多かった市町村は宮崎県都城市!
ふるさと納税とは、2008年5月から開始された、都市集中型社会における地方と大都市の格差是正・人口減少地域における税収減少対応と地方創生を主目的とした寄附金税制の一つです。任意の自治体を選んで寄付すると、2000円を超える分が住民税や所得税から控除される仕組みとなっています。
2022年度の寄付による2023年度の住民税控除額は6798億円と19%増加、控除の適用者数は19%増の891万人で、いずれも過去最高となっています。
都会に住みながら故郷や応援したい自治体に寄付できる一方、魅力的な返礼品がある自治体に寄付が集中し、地域間の格差が拡大してしまったという例も少なくありません。都道府県分と市区町村分の合計で2023年度に全国で最も税収が減るのは東京都内の1689億円、市区町村別では横浜市の272億円と予想されています。
そうした問題を防ぐためにも、総務省は自治体による過度な返礼品競争を避けるため、寄付の集め方に問題がないかを審査する仕組みを2019年に取り入れています。返礼品の調達費を寄付額の3割以下、募集にかかる経費を5割以下に抑えるよう求めています。
冒頭の話に戻すと、2022年度のふるさと納税で寄付額が最も多かった市町村は前年度2位だった宮崎県都城市で195億9300万円(前年度は約146億円)。2位は前年度トップだった北海道紋別市が194億3300万円(同約153億円)、3位は北海道根室市が176億1300万円(同約146億円)となっています。
都道府県別では、北海道が1452億円、福岡550億円、宮崎466億円などが上位に並び、兵庫県を除く46都道府県で寄付総額が伸びたようです。
2022年度の寄付額上位10自治体 | |||
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()前年順位 | 自治体 | 寄付額(億円) | 主な返礼品 |
1位(2位) | 宮崎県都城市 | 195 | 肉、焼酎 |
2位(1位) | 北海道紋別市 | 194 | カニ、いくら、バター |
3位(3位) | 北海道根室市 | 176 | ホタテ、いくら、カニ |
4位(4位) | 北海道白糠市 | 148 | いくら、サーモン |
5位(5位) | 大阪府泉佐野市 | 137 | 熟成肉、タオル |
6位(20位) | 佐賀県上峰町 | 108 | 米、うなぎ |
7位(13位) | 京都府京都市 | 95 | 旅行券、おせち、日本酒 |
8位(10位) | 福岡県飯塚市 | 90 | ハンバーグ、明太子 |
9位(9位) | 山梨県富士吉田市 | 88 | 羽毛布団、水、炭酸水 |
10位(8位) | 福井県敦賀市 | 87 | エビ、カニ |
総務省は10月から経費などの適用基準を明確にするようルールを見直す方針で、寄付の受領書の発送費用なども経費に含めることを明らかにしています。今後は、自治体ごとに経費を圧縮するといった対応が求められます。