転売屋の問題がニュースになることが増えました。商品の利用目的ではなく、転売目的で商品を購入し高値で販売しているため、商品を欲しい層が購入できなくなっています。
ゲーム機やガンプラ(ガンダムのプラモデル)の転売も話題になりますが、社会問題としてよく取り上げられるのがトレカ(トレーディングカード)転売です。ポケカ投資と言われるほど、トレカ転売でもうけている人がいます。
トレカ転売は法律違反ではありません。しかしトレカ転売を問題視して、転売を防ぐ努力をしている店舗やプラットフォームがあります。この記事では、トレカ転売を防止する取り組みと、トレカ転売を行った際に税金はどのようにかかってくるのかについて解説します。
トレカ転売はなぜ問題視されるのか
そもそもトレカ転売は法律違反ではないにもかかわらず、なぜ問題視されるのでしょうか。そのひとつの理由が、転売屋がいるために定価でトレカを入手できなくなる人がいることです。
実際にトレカが高額になったり、品薄になったりすることで、本当にトレカを欲しい人が手に入れられません。私の息子たちもトレカを欲しいと言っていましたが、正規価格よりもかなり高い値段でしか購入できない状態だったため、諦めるように伝えました。
またトレカをめぐる犯罪が増えることも問題視されるひとつです。現にトレカを狙って強盗に入る事件も起きています。子どもたちでさえも、どのトレカが高値で取引されているか知っています。この状態は、社会的には問題でしょう。
また転売される商品が多いと、企業が何も対策を打っていないと批判される可能性があります。何も手を打たなければ、ブランドイメージを下げる結果にもなりかねません。トレカではありませんが、ガンプラの転売が問題になったとき、ガンプラの生産量を増やすように批判する声がSNSで見られました。
メーカーが増産して、誰でも手に入る状態になれば、そもそも転売屋が出てこなくなるという理由です。このように転売屋の問題は、企業も巻き込んだ問題に発展しています。
転売されている主なトレカは?
トレカの転売が社会的に問題になっていることは先ほど述べました。ではどのトレカの転売が行われているのでしょうか。ここでは3つの人気のあるトレカについて紹介します。
ポケモンカード
ポケモンカードは、アニメ「ポケットモンスター」のカードです。長くアニメで放送されているため、大人でも知っているアニメではないでしょうか。海外にもコレクターが多いので、転売している人が多くいるという特徴があります。
トレカというと子どもがメインかと思われがちですが、大人も購入するため高値でも販売できるようです。レアカードについては、かなりの高額で取引されているケースも見られます。そのためポケカ投資と言われるほど、ポケモンカードの売買で儲けている人がいます。
遊戯王
高橋和希の原作によるマンガ「遊戯王」のカードも人気のトレカです。根強い人気があり高値で取引されているカードもあります。複数枚のカードをセットで転売しているケースが多く、その方が高値で売買できるようです。
ワンピース
2022年7月に展開を開始した「ワンピース」のカードも人気のトレカのひとつです。発売直後から品薄状態が続き、カードがランダムに封入された「ブースターパック」が高値で取引される事例が多発しました。一部レアカードでは、10万円以上の値が付くこともあるようです。
トレカ転売防止の取り組み
トレカ転売が社会問題化するほど、盛んにおこなわれていますが、企業やプラットフォーム、店舗がその状況を放置しているわけではありません。ここではそれぞれがどのような取り組みをしているのか紹介します。
企業側の取り組み
企業側も転売を見過ごしているわけではありません。たとえばポケモン社はメルカリと協力して、転売の防止に力をいれると発表しました。また企業側としては、販売数の増加も取り組みの一つです。
前述したように、ガンプラは商品数が少ないことで転売屋が増えたと言われています。しかしマスクの転売を見ればわかるように、供給量が安定すれば、転売屋はもうけが出ないため、転売をしなくなります。
転売屋の取り締まりだけでなく、供給を増やす取り組みも同時に行う必要があるでしょう。
プラットフォームや店舗での取り組み
商品を作る側だけでなく、販売する側の取り組みも重要です。たとえば転売を疑われる人のプラットフォームでの販売禁止があります。そもそもメルカリなどで販売できないようにしてしまう方法です。
また店舗では個数制限の実施や抽選を行う方法があります。そうすることで転売屋がまとめてトレカを購入できなくなります。実際に私はワンピースのカードを購入したことがありますが、抽選での販売でした。
ポケカほどではありませんが、ワンピースのカードも高値で取引されており、手に入りにくい状態が続いていました。しかし販売数は徐々に増えており、最近では手に入りやすくなった印象です。ただレアカードは手に入らないので転売屋がなくなることはないでしょう。
消費者としてできること
消費者として転売を防止するためにできることもあります。たとえばあきらかに高額だとわかる商品は購入しない方法があるでしょう。実際に私は子どもに買ってほしいと言われたことがありますが、転売屋が濃厚だったため、断ったことがあります。
またそもそも転売目的でトレカを買わないことも大事です。そのためにはカードの売り買いをしないで、純粋にトレカを楽しむようにすべきでしょう。子どもたちもトレカが高値で売買されているという事実を知っています。
子どもたちがトレカを転売目的で売買しないようにするためにも、大人がトレカを転売目的で購入しない、トレカを売らないという心がけが必要でしょう。
トレカ転売で税金はかかる?
ここではトレカ転売の問題と、それを防止する努力について解説してきました。トレカ転売を目的にしている人は、税金を払っているのでしょうか。ここではトレカ転売で税金がかかるケースとそうではないケースについて解説します。
税金がかかるケース
トレカ転売を行うことで、税金はかかるのでしょうか。1枚のカードの売値が30万円未満であれば「生活用動産」となるので非課税です。30万円を超えた場合は「譲渡所得」になりますが、50万円の控除があるので、50万円までは、税金はかかりません。
50万円を超えてくると税金がかかってきます。ただし50万円を超えなくても、確定申告は必要になります。
確定申告も必要ないケース
確定申告も不要で、税金も支払わなくていいケースがあります。会社員で年間20万円以下なら確定申告が不要です。また専業主婦の場合は48万円以下なら申告が必要ありません。
ただし住民税の申告が必要なケースもあるので、注意が必要です。たとえば会社員の場合、年間20万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。副業収入の場合は金額が小さくても申告しなければならないので注意しましょう。
事業所得になるケース
先ほど1枚のカードの売値が30万円未満であれば「生活用動産」となり、税金がかからないと説明しました。しかし1枚のトレカが30万円未満でも、複数枚売買して事業として継続していると認められると事業所得になる可能性があります。
事業所得になれば確定申告も必要ですし、所得税や住民税など税金も払う必要があります。会社員の場合、副業になってしまう可能性もあり、副業禁止の会社の場合は後々、問題になる場合もあるでしょう。
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まとめ
ここまでトレカ転売が問題視される理由と、転売屋を防ぐための取り組みについて解説してきました。またトレカ転売によって税金がかかるかについての説明もしました。トレカ転売は法律違反ではありません。
しかし社会的に問題を生じる可能性が高いので、トレカが高値で売買されているとしても、転売目的で購入するのはやめましょう。
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