10月1日から新型コロナ治療薬の窓口負担割合の一部が自己負担となりました。今回の新型コロナの支援策縮小により、最大9,000円の自己負担が生じることになります。
今回実施された支援策縮小は、9月15日に厚生労働省によって公表されており、新型コロナの感染法上の位置づけが「5類」に引き下げられたことが関係しています。
新型コロナの支援縮小は2024年の4月から段階的に実施される見通し
今回実施された新型コロナの支援策縮小によって変更された具体的な内容は、以下のとおりです。
【支援策の変更内容】 | 変更前 | 変更後 | |
---|---|---|---|
患者 | 高額な治療費 | 全額公費負担 | 一部自己負担 (3,000円~9,000円) |
入院医療費 | 「高額医療費制度」+最大2万円/月 | 「高額医療費制度」+最大1万円/月 | |
医療機関 | 空床補償 | 「病床確保料」の補助金支給 | 感染状況が一定基準を超えるまで支給なし |
新型コロナの支援策縮小によって患者側は、年齢や所得に応じて3,000〜9,000円の治療薬負担が発生すること以外にも、「高額医療費制度」に加えて支給される入院医療費についても減額されます。
「高額医療費制度」とは、同月内にかかった医療費の自己負担額が年齢や所得に応じて区分される「自己負担限度額」を超えた場合に、後日払い戻される制度です。
また、今回の支援策縮小は患者だけでなく、医療機関にも影響を及ぼしています。
これまでは、新型コロナの入院患者の受け入れに備えて病床を確保していた場合、「病床確保料」という補助金が支給されていました。しかし、10月からは感染状況が一定基準を超えるまでは支給されないことになったのです。
厚生労働省は、2024年4月から新型コロナを季節性のインフルエンザなどの感染症と同等の医療体制にする方針で、公費での支援を段階的に縮小することにしています。
今回の新型コロナ支援策縮小について、兵庫県医師会の医療保険担当常任理事である三浦一樹医師は、治療費が一部自己負担になることで医療機関へ受診をしない人が増え、「重症化につながっていくんじゃないかと心配している」とコメントしました。
他にも、感染症の専門家で国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「新型コロナの患者を受け入れる医療機関の労力は今でもとても大きいので、それに見合うような支援策のあり方について今後も検討するべきだ」と指摘しています。
新型コロナは持病があるなどのリスクの高い人が感染すると命に関わる病気であると言われていることから、新型コロナの支援縮小は、これらのことを考慮した上で対策を見直すべきだとされています。
▼参照サイト
新型コロナの患者支援 10月から見直し 治療薬の一部自己負担に【NHK NEWS WEB】
10月から新型コロナ治療薬が自己負担増に【サンテレビNEWS】
高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)【全国健康保険協会】
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- 10月1日から新型コロナ治療薬が一部自己負担!最大で9,000円にも