世界40カ国の国や地域で免税サービスを展開している会社「グローバルブルー」によると、2023年10月のインバウンド(訪日観光客)の中国人による免税品購入総額がコロナ禍前よりも25%上回る水準まで回復したことが明らかとなりました。
グローバルブルーのジャック・スターリンCEOは、今後もインバウンドの中国人による買い物需要が回復していくのではないか、との見解を示しています。
今後も中国人観光客によるインバウンド消費の更なる増加が見込まれている
2023年9月ごろまでは、訪日外国人観光客数の増加に伴い、フィリピン、韓国、シンガポールなどから訪れる観光客が増加している一方で、中国人観光客数は伸び悩んでいました。
そんな中、10月に入り、中国人観光客が購入した日本の免税品購入総額がコロナ禍前の2019年同月と比べて25%上回るまでに回復しました。
その背景には、9月29日からの8日間に及ぶ大型連休「国慶節」などが影響していると考えられます。「国慶節」は中国の建国記念日であり、1日あたりおよそ2億5,700万人が公共交通機関を使用することが考えられている大型連休です。
また、連休期間の中国から日本に向かう便はほぼ満席であるなど、実際に日本に訪れる中国人も増えました。
そして、グローバルブルーによると、免税の取り扱い件数1件あたりの平均単価が9万1,550円と、コロナ禍前よりも85%増加しているということです。特に、人気の高い商品は、宝飾品やバッグなどの「一般物品」で、円安などの背景からブランド品を日本で購入する需要が高まっていることが要因とされています。
さらに、免税商品の購入額を地域別で2019年と比較すると、愛知県は2%減少しているのに対し、東京都が68%、大阪府は19%増加しているとのことです。そのため、インバウンドの中国人による免税品の購入は、主に東京や大阪などの都会に集中していることが分かります。
2023年9月時点での中国から日本への定期便は、コロナ禍前と比べると4割程度に収まっており、中国から日本に訪れる人数に制限があります。しかし、日本航空は今後の需要を見極めながら増便も視野に入れているとのことですので、中国と日本間の定期便が増便されることで、中国人観光客の増加とともに免税品の購入額がさらに増える可能性があると言えます。