厚労省が市販薬の購入制限案を取りまとめ!若者による市販薬の過剰摂取が原因か | MONEYIZM
 

厚労省が市販薬の購入制限案を取りまとめ!若者による市販薬の過剰摂取が原因か

12月18日、厚生労働省は、かぜ薬などの市販薬に関する購入制限案を取りまとめました。理由としては、決められた量や回数を超えて大量に使用するオーバードーズ(過剰摂取)が若者を中心に深刻な問題となっていることにあります。
 

厚生労働省によると、2022年10月までの2カ月間で全国の精神科を訪れた10代・20代の患者336人を対象に主に使用した薬を調査したところ、36%と最も多かったのが「市販薬」とされています。

市販薬の購入制限は2024年度以降に改正を目指す見通し

案として取りまとめられた市販薬の制限は、20歳未満と20歳以上の場合で異なります。
 

●20歳未満
∟1箱のみの販売とする
∟薬剤師が乱用目的ではないかの確認をする
∟購入者の顔写真付き身分証を確認する
∟販売した情報を記録する
∟インターネット販売では薬剤師がビデオ通話で使い方を説明する

●20歳以上
∟原則1箱のみの販売とし、複数販売する場合は薬剤師が購入理由を確認する
∟複数購入する場合は、購入者の顔写真付き身分証を確認する
∟インターネットで複数購入する場合は、ビデオ通話で説明する

 

また、厚生労働省が2022年12月までの1年8カ月の間、複数の救急医療機関に解熱鎮痛薬などの市販薬の過剰摂取で救急搬送された122人の患者を対象とした調査によると、過剰摂取された上位3つの市販薬は、次の薬であることが分かりました。
 

  • 解熱鎮痛薬(24.9%)
  • 鎮咳去痰薬(18.5%)
  • かぜ薬(18%)

 

なお、これらの入手経路として「実店舗」が65.9%と最も多く、「インターネット購入」は9.3%とのことです。
 

またドラッグストアで販売される市販薬の分類「第2類」と「第3類」を統合する案も検討が進められているようです。
 

販売されている市販薬は、主に3つの分類に分けられています。
 

●「第1類」
∟副作用が強く、リスクが高い(解熱鎮痛薬、胃薬など)
●「第2類」
∟比較的リスクが高い(かぜ薬、解熱剤など)
●「第3類」
∟比較的リスクが低い(整腸剤、ビタミン剤など)

 

そして、これらの「第2類」と「第3類」を統合した上で、薬剤師や登録販売者による薬の副作用についての説明をすることにしています。
 

ちなみに、市販薬を年間で一定額以上購入した場合、「セルフメディケーション税制」という控除を受けられます。
 

「セルフメディケーション税制」とは、特定検診や予防接種、定期健康診断などを受けた年に一定額以上の医薬品を購入することで、最大8万8,000円を所得税から控除できる制度のことです。
 

自身や生計をともにする配偶者や親族のOTC医薬品(医療用から転用された医薬品)の購入額が、1年間で1万2,000円を超えた場合に適用されます。
 

厚生労働省は、市販薬の販売制度案について、2024年度以降に医薬品医療機器法の改正を目指していくこととしています。

澤田泰弥
神奈川の横浜を中心にライターとして活動しています。現在は将来のために金融分野の勉強をしており、2023年1月にFP3級を取得し、現在はFP2級取得を目指して奮闘中です。金融知識に詳しくない方でも、すぐに悩みを解決できるわかりやすい記事制作を心がけています。
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