KDDIは2024年2月6日、ローソンに対して2024年4月ごろをめどに4,900億円余りを投じてTOB(株式の公開買い付け)手続きを開始し、すでに保有している2.1%と合わせて株式の50%を取得すると発表しました。
そして同日、KDDI、三菱商事、ローソンの3社は資本業務提携を結んでおり、TOB実現後の9月ごろに共同経営を始める見通しです。
KDDIの参入によりローソンで使えるサービスが増える可能性
現在、ローソンは、三菱商事が株式の50%を保有して親会社となっていますが、TOBが実現することで、KDDIと三菱商事がそれぞれ50%の株式を保有することになり、共同経営する形となります。
コンビニ業界では、人口減少やネット通販の普及などにより売上向上を目的とした事業戦略の強化や見直しが課題とされている中で、KDDIがローソンの経営に参入することで異業種の経済圏との連携が実現し、今後の競争環境が変化していくとされています。
KDDIとローソンの両社は、新サービスの開拓などを視野に入れており、ローソン側はデジタル技術を活用した店舗運営の効率化や、ネット通販をスピード配達で届けられる「クイックeコマース」などの新サービスの展開を目指しています。
一方でKDDI側は、全国およそ1万4,600店あるローソンの店舗網を活用し、別事業として展開している銀行・保険サービスの事業強化、三菱商事の子会社が運営する独自ポイントの「ポンタ」との連携を深めて「au経済圏」の拡大を狙うとしています。
KDDI、三菱商事、ローソンは、将来的にオンライン診療やドローン配送サービスなどの事業も視野に入れていることから、今回の共同経営を機に画期的なサービスが展開される可能性もあります。