政府は妊娠から小学校入学前までの子供の健康状態や予防接種などを記録・管理する「母子健康手帳」のデジタル化を来年度(2024年度)から加速させることを発表しました。
母子健康手帳のデジタル化では、保護者の負担軽減や手続きの効率化などを目的としています。
2025年度を目途に母子健康アプリを正式な手帳に位置付ける見通し
母子健康手帳がデジタル化されると次のような点が変わります。
∟スマホで問診表を入力
紙の受診券・接種券で本人確認
∟マイナンバーカードで本人確認
紙の母子健康手帳で記録の確認
∟スマホで記録の確認
母子健康手帳のデジタル化に伴い、民間の母子手帳アプリから妊婦・乳幼児健診や、子どもの予防接種の問診票入力などができる仕組みを構築するとしています。
具体的には、母子手帳アプリをマイナンバーカードの個人向けサイトである「マイナポータル」と連携させることで、スマホから健康診断(以後、健診)や予防接種の問診票入力が可能となります。
他にも、受診券や接種券の代わりにマイナンバーカードを使って本人確認が行えるようになり、健診結果や接種記録も自動的にアプリに反映されるとのことです。
全国展開は2026年度以降を予定しており、まずは青森県むつ市や新潟県小千谷市、広島県三原市、熊本県上天草市など全国12市町で試験的に運用を行うとしています。
また、現在は、妊産婦の間で母子健康手帳を補うアプリの利用が広がっているものの、紙で発行している母子健康手帳のみが正式な手帳として認められており、紙の問診票や受診券、接種券を見ながら保護者がアプリに記録を打ち込むケースがほとんどです。
これを受けて政府は、2024年度に今後の母子健康手帳のあり方や、母子手帳アプリの機能についての議論を進め、2025年度を目途にアプリを正式な手帳に位置付けるよう制度を見直すとしています。