デジタル庁は、マイナンバーカードで利用できる全機能をスマートフォン(以後、スマホ)に搭載する改正案を3月5日にも閣議決定し、国会に提出するとしています。
法案は成立後1年以内に施行され、2025年夏までに適用される見通しです。
口座開設や本人確認がスマホ1台で完結する時代に
現在、マイナンバーカードに搭載されているICチップが果たしている役割は、以下のとおりです。
マイナンバーカードをスマホに搭載することで、これらの機能をスマホ1台で利用できるようになり、インターネット上で銀行や証券会社の口座を作る際に、カードの読み込みや撮影が不要になります。
現在、Android機種の一部では、電子証明書の機能だけが使えていますが、法改正で残りの機能もスマホで使用できるようになり、実物のカードが手元になくてもスマホ1台でさまざまな手続きが可能となるのです。
また、マイナンバーカードをスマホに搭載する主な目的は、口座のネット開設を簡単にしたり安全性を高めたりする効果を見込んでいるほか、証券会社側の確認作業の効率化や、偽造カードによる犯罪行為の防止策としても期待されています。
将来的に政府は、携帯電話の契約などを含め、運転免許証などの確認手段を廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針を掲げており、本人確認をスマホ1台で行える環境を整えるとのことです。
他にも、コンビニエンスストアなどで増えているセルフレジで酒・たばこを購入する際の年齢確認や、災害時に避難者の年齢や住所などを把握し、支援物資の供給や応援人員の手配をしやすくするといった用途も想定されています。
また、マイナンバーカードがあれば、スマホやパソコン、タブレットから国税庁が運営している「e-Tax」を利用した確定申告も可能です。
「e-Tax」を利用することで、税務署へ申告書を持参・郵送する必要がなくなるほか、24時間どこからでも確定申告ができるため、マイナンバーカードを保有していることで、確定申告におけるさまざまなメリットも得られます。