10年連続で人口が増加!充実した明石市の子育て支援とは?

兵庫県の明石市では、子育て支援が充実しています。今回は、明石市の子育て支援を紹介します。充実した支援を背景に増加している人口についても見ていきましょう。子育て支援が充実している明石市以外の自治体についても紹介していきますので、ぜひ読んでみてください。

※記事の内容は2023年8月末時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。

明石市の充実した子育て支援

明石市では「こどもを核としたまちづくり」を進め、子育て支援に力を入れています。まずは、明石市の子育て支援の内容を紹介します。

明石市独自の5つの無料化

明石市の子育て支援の中心を担うのが、市独自の「子育て支援の5つの無料化」です。明石市では、子育てに関する以下の5つが無料になっています。

  • 高校3年生までの医療費
  • 中学校の給食
  • 第2子以降の保育料
  • 公共施設の入場料
  • 1歳までのおむつ代

 

それぞれの内容についてくわしく説明します。

・高校3年生までの医療費

子どもにかかる医療費の助成制度は、住んでいる自治体によってさまざまです。明石市では、高校3年生(18歳到達後の最初の3月31日)まで医療費が無料です。病院代、薬代、夜間の救急、市外の病院も含め、健康保険が適用されるものについては全て無料になっています。

・中学校の給食

明石市では、2020年4月から中学校の給食も無料です。教育費が膨らむ中学生がいる家庭の経済的負担を減らし、子どもの健やかな成長を支えることが制度の目的です。

・第2子以降の保育料

第2子以降の保育料も、明石市は完全無料です。市内の保育所、幼稚園で無料なだけでなく、市外の施設も対象になります。兄妹、姉妹の年齢がいくつでも利用できる制度です。

・公共施設の入場料

科学館やプールなど、市内の4つの公共施設の入場が無料になっています。無料の施設、対象年齢は以下のとおりです。

  • 親子交流スペース「ハレハレ」…市内在住の小学生以下の子どもと保護者の入場が無料
  • 明石海浜プール…市内在住・在学の小学生以下の子どもの入場が無料
  • 天文科学館…市内外問わず高校生以下の子どもの観覧料が無料
  • 文化博物館…市内外問わず中学生以下の子どもの観覧料が無料

・1歳までのおむつ代

2020年10月からスタートした制度に、「おむつ定期便」があります。明石市の研修を受けた配達員が、毎月おむつや子育て用品を自宅まで届ける制度です。配達の際に育児の不安や悩みを聞いたり、子育て情報を伝えたりと見守りの支援も同時に行っています。おむつ定期便の対象の子どもと届けられる子育て用品は、以下のとおりです。

  • 対象…生後3カ月から満1歳の誕生日までの子ども
  • 届けられる子育て用品…紙おむつや粉ミルクなど約3,000円相当の品

 

上記の無料化に、所得制限はありません。明石市に住む全ての子どもたちに支援が届いています。

親と子どもの目線に合った豊富な支援

紹介した5つの無料化以外にも、明石市には豊富な子育て支援が用意されています。親と子どもの目線に合った、以下の支援があります。

  • 使用済み紙おむつの保護者持ち帰り廃止
  • 市内全公立幼稚園で給食の実施
  • こども食堂
  • 小学校1年生・中学校1年生での少人数学級
  • 病児保育施設

 

これらの支援についても、それぞれくわしく確認しておきましょう。

・使用済み紙おむつの保護者持ち帰り廃止

明石市では、保護者や保育士の負担軽減や衛生面への配慮を理由に、保育施設などでの使用済み紙おむつの保護者持ち帰りを廃止しています。使用済み紙おむつは、施設の方で処理してくれます。なお、施設には市から補助金がでていますから、おむつ処理にかかる保護者の費用の負担もありません。

・市内全公立幼稚園で給食の実施

子どものお弁当に負担を感じる保護者は多いものです。明石市では、市内全公立幼稚園で給食を実施しています。市民であればおかず代は無料となっており、月額400円から利用できます。

・こども食堂

こども食堂とは子どもが1人でも行ける食堂のことで、無料や低価格で食事をとることが可能です。子どもたちに食事を提供するだけでなく、孤食の解消や地域交流の場としての目的も持っています。明石市はこども食堂が豊富で、市内に46箇所設けられています。

・小学校1年生・中学校1年生での少人数学級

大切な最初の一歩でつまずかないように、明石市では小学校1年生と中学校1年生は少人数学級の仕組みになっています。小学校1年生は30人以下、中学校1年生は35人以下が決まりです。

・病児保育施設

子育てをしていると、仕事が休めないのに子どもが急に熱を出してしまったということはよくあります。明石市なら、病気の子どもを預かる施設が市内に2箇所用意されているため安心です。子育てと仕事の両立をサポートするのも、明石市の特徴です。

子育て支援で増加する明石市の人口

ここまで、明石市の充実した子育て支援を紹介してきました。次に、明石市の人口について見ていきましょう。明石市の人口は10年連続で増え続け、2023年8月1日時点で30万5,682人と発表されています。
明石市の推計人口の推移(毎年10月1日時点)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
290,657人 290,909人 291,357人 293,409人 293,710人 295,908人 297,920人 299,094人 303,601人 303,823人 304,564人

 

出典:明石市 推計人口 ❘ 兵庫県明石市

2020年に行われた国勢調査でも、人口増加率が全国中核市のなかで第1位でした。0〜4歳、25〜39歳の転入が多いことから、子育て世帯が増えたことが背景にあると予想されます。子育て支援の充実が、明石市の人口増加にかかわっているとも読み取れるでしょう。

人口が増えた全国の中核市

自治体 増加率
1位 明石市 3.55
2位 船橋市(千葉県) 3.22
3位 柏市(千葉県) 3.04
4位 吹田市(大阪府) 3.02
5位 川口市(埼玉県) 2.83
6位 豊中市(大阪府) 1.60
7位 尼崎市(兵庫県) 1.58
8位 越谷市(埼玉県) 1.26
9位 大津市(滋賀県) 1.24
10位 川越市(埼玉県) 1.12

出典:祝!10年連続人口増加達成!! ❘ 笑顔のタネあかし/兵庫県明石市

また、明石市では合計特殊出生率も増加しています。国の合計特殊出生率が減少した2020年も、明石市は上昇傾向を維持しました。

さらにさまざまな企業が自治体ランキングを行っていますが、多くのランキングで明石市は上位を獲得しています。例えば、株式会社リクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2022関西版」では、「住みたい自治体ランキング」で第6位になっています。アルヒ株式会社の「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2022 in 関西」でも、明石市の「西明石」が第1位になりました。

明石市のほかに子育て支援が充実している自治体は

明石市以外にも、子育て支援が充実している自治体があります。例えば、千葉県の流山市も子育て支援が充実している自治体の1つです。流山市では、「子育て応援マンション認定制度」が実施されています。子育て応援マンション認定制度とは、子育て世帯に配慮したマンションを市が認定する制度のことです。要件を満たして認定を受けたマンションは、「流山市子育て応援マンション認定ステッカー」の表示が認められています。子育てしやすいマンションが見つけやすくなる仕組みです。

流山市では、市内に2箇所「送迎保育ステーション」も設けられています。送迎保育ステーションとは、バスで結びつけることで離れた保育園に子どもを送迎する保育事業のことを指します。送迎保育ステーションまで子どもを送れば、専用のバスで通っている保育所まで送っていってくれます。

自宅から保育所が離れていたり、保育所まで送迎が困難だったりする場合、流山市内の保育所に入所している満1歳以上の子どもであることを条件に、この送迎保育ステーションを利用することができます。共働き世帯にとって、心強いシステムです。

また、ほかの子育て支援が充実している自治体として、岐阜県の瑞穂市もあげられます。瑞穂市では、民間が主体となって運営している保育所に市が補助金を出すなど、公私連携型の保育所で待機児童への対策を行っています。市が運営していた保育所を民間委託し、子どもの受け入れの幅を広げる取り組みも行われています。
さらに時間短縮のために、保育所の入所選考にAIを導入しました。希望にそぐわないときも、保護者が早めに対策を立てられるようにするための配慮です。

流山市や瑞穂市も、ともに人口が増え続けています。

まとめ

「子どもの政策というのは未来政策なんです。」そう、明石市の泉市長は言います。確かに、子育て支援を充実させるには、お金もかかるでしょう。しかし、日本の未来を担うのは、今の子どもたちです。子育て支援は、自治体や国の未来にも繋がる政策でもあります。必要な支援に力を入れてもらうには、国のお金を自分ごとのように捉える私たちの意識も欠かせません。それと同時に、未来を担う子どもたちをみんなで守り育てていくという気持ちも、支援と同じくらい大切でしょう。

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