環境省が新たなエコポイントであるグリーンライフ・ポイントを導入へ

[取材/文責]長谷川よう

政府や企業では、さまざまなエコに対する政策や取り組みを行ってきました。最近では環境問題への関心が高まり、エコな行動をしている個人も多いです。
エコへの取り組みを後押しするために検討されているのがグリーンライフ・ポイントです。この記事では、グリーンライフ・ポイントなどのエコポイントについて解説します。

環境省が来年度からグリーンライフ・ポイントの導入を検討

エコポイントにはさまざまなものが導入されてきました。ここではまず、2022年度から導入が検討されている「グリーンライフ・ポイント」について見ていきましょう。

 

グリーンライフ・ポイントを簡単に説明すると、個人が環境に配慮した行動を行ったときに付与されるポイントのことです。付与されたポイントは、通販サイトや家電量販店などのポイントに上乗せされる形式で付与されるため、通販サイトや家電量販店などのポイントと同様に、買い物などに利用できます。

 

グリーンライフ・ポイントの対象となる環境に配慮した行動は、次の5つとなる予定です。

 

  • 住まい…高性能な省エネ機器の買い替えなど
  • 食…販売期限が迫っている食品の購入など
  • 衣類…持続可能なファッションの購入や選択など
  • 循環…使い捨てのプラスチック製品を使わないことなど
  • 移動…カーシェアやシェアサイクルの利用など

 

実際には、通販サイトや家電量販店、自治体などが展開する上記5つのサービス、もしくは商品を購入・利用することで、ポイントが付与される予定です。

 

グリーンライフ・ポイントは2022年度の導入が検討されており、環境省では、企業などがグリーンライフ・ポイントの対象となる商品の企画・開発にかかった費用の補助をするために、来年度予算の概算要求に10億円を計上する予定となっています。

環境省が推進するエコ・アクション・ポイントとは

グリーンライフ・ポイントは、来年度からの導入を目指しています。しかし、実は現在でも個人が環境に配慮した行動を行った場合に付与されているポイントがあります。それが「エコ・アクション・ポイント」です。

 

ここでは、環境省が推進するエコ・アクション・ポイントについて見ていきましょう。

実は今もエコ・アクション・ポイントがある

環境省は、ポイントプログラムであるエコ・アクション・ポイントを推進しています。エコを実現するために、国民一人ひとりの環境配慮行動(エコアクション)に経済的インセンティブを付与する取組として、エコ・アクション・ポイントが導入されています。個人がエコアクションを行えばポイントが付与され、そのポイントはさまざまな商品等に交換できます。

 

そもそもエコ・アクション・ポイントは、環境省のモデル事業が発端となっており、2012年からは民間企業が主体になり運営が行われています。2019年からは「ティーエムエルデ株式会社」がメインプラットフォームを務める形です。

 

民間企業が主体となって運営をしているといっても、環境省が定めた「エコ・アクション・ポイントに関するガイドライン」に則って行動を行っているため安心して利用することができます。

エコ・アクション・ポイントを貯めるには?

エコ・アクション・ポイントは、さまざまな商品等に交換できるお得なポイントです。それでは、エコ・アクション・ポイントの貯めるためにどうすれば良いのでしょうか?

 

実は、エコ・アクション・ポイントを貯めるには、公式サイトで登録を行った上でエコな行動を取る必要があります。エコ・アクション・ポイントを貯める手順は次のとおりです。

 

・公式サイトで会員登録
エコ・アクション・ポイントを貯めるために、公式サイトで会員登録をします。エコ・アクション・ポイントの公式サイトの新規登録画面でメールアドレスを入力・送信し、会員登録を行います。また、スマホの場合はTwitterやFacebookを使って、会員登録することもできます。

 

・エコアクションを探す
エコ・アクション・ポイントの公式サイトで会員登録したら、次は、自分が行うエコアクションを探します。

 

エコアクションには、エコなアクションに対するアイデアを投稿したり、エコに貢献する商品の購入やサービスの利用、古紙回収などのエコな行動を行うなど、さまざまなものがあります。公式サイトには、さまざまなエコアクションが掲載されているので、行いたいエコアクションを探しましょう。

 

・エコな行動をし、ポイントを貯める
行いたいエコアクションが見つかったら、エコな行動をし、ポイントを貯めます。ポイントの付与率や付与方法はエコアクションごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

 

・商品を交換
エコ・アクション・ポイントが貯まったら、ギフトカードやギフトセットなどの希望の商品・サービスと交換します。公式サイトに、交換商品の一覧があるので、そこから希望商品を選択し、エコ・アクション・ポイントと交換します。

これまでにもあったエコポイント

エコポイントは、これまでにもさまざまなものがありました。今後も、同じようなエコポイントが導入(復活)される可能性もあります。そこで、ここではこれまでにあった主なエコポイントについて見ていきましょう。

グリーン家電エコポイント

グリーン家電エコポイントとは、一定基準以上の統一省エネラベルに対応した「地上デジタル放送対応テレビ」「エアコン」「冷蔵庫」の家電、いわゆるグリーン家電を購入した場合に付与されるエコポイントのことです。付与されたエコポイントは、商品などと交換することができます。

 

グリーン家電エコポイントは、地球温暖化対策や経済の活性化を図るとともに、アナログ放送からデジタル放送への移行に伴う、地上デジタル対応テレビの普及を図るために導入されました。グリーン家電エコポイントの制度は、2011年に廃止されています。

グリーン住宅ポイント

グリーン住宅ポイントとは、省エネ性能など一定の基準をクリアした住宅の取得やリフォームなどを行った場合に付与されるポイントのことです。付与されたグリーン住宅ポイントは、商品などと交換(追加工事代金に充当も可)することができます。

 

付与されるポイントは、取得した住宅やリフォーム工事などの条件によって異なります。2020年12月15日から2021年10月31日までの住宅取得とリフォームが対象となります。

 

新築住宅の購入の場合は、一般的に不動産会社などでグリーン住宅ポイント対応住宅として広告などがされているため、購入した物件が対象かどうかはすぐにわかります。また、中古住宅の場合も空き家バンク登録住宅など、一定の条件を満たしている場合はグリーン住宅ポイントの対象となります。

 

リフォームの場合は、断熱改修もしくは、エコ住宅設備の設置によるリフォームが必須となります。グリーン住宅ポイントの申請は2021年10月31日まで、商品などとの交換は2022年1月15日までと、それぞれ期限があるため注意が必要です。

 

住宅に関するエコポイントは、グリーン住宅ポイント以外にも2011年に終了した「住宅エコポイント」があります。そのため、今後も同様のポイント制度が導入される可能性があります。

まとめ

国際的にもエコに注目が集まっている中、日本でもさまざまな施策が行われています。来年度に導入される予定のグリーンライフ・ポイントも、そのひとつです。グリーンライフ・ポイントは、付与されたポイントを商品の購入などに使うことができるお得なポイントです。

 

エコポイントの導入は、過去にもいくつかあったため、グリーンライフ・ポイント以外にも、今後もエコポイントの導入があるかもしれません。今後のエコポイント制度の動向には、常に注視しておく必要があるでしょう。

会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。

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