その経費、本当に必要?経費削減で企業経営を好転させる3ステップ
「せっかくの利益剰余金も経費にどんどん食われてしまう」といった悩みをお抱えではありませんか。節税等で経費計上を必要以上に行う場合もあるでしょうが、無駄な経費は企業経営に悪影響しか及ぼしません。今回はそんな無駄を省き企業経営を好転させていくためのステップをご紹介します。
その経費、本当に必要?
中小企業全体に占める、営業利益が赤字の企業の割合をご存知でしょうか。2016
このように堅調とは言い難い景況感の中で、企業経営を好転させ、それを維持したいと思っている企業は多いでしょう。利益を増やして経営を好転させる方法には、大きく2つの方向性があります。それは収益を増加させる方法と、経費を削減する方法です。このうち、努力と工夫次第で結果を出しやすいのが経費削減です。なぜなら、収益の増加は外部要因が多いためにコントロールが難しいのに対し、経費削減は社内でコントロール可能だからです。
経費削減を進めていくための具体的なステップとしては、まず経費を見える化し、全容を把握することから始めることをおすすめします。その後、恒常的にかかっている経費と一過性の経費に分けた上で、削減可能なものを洗い出します。一過性のものは削減しても全体に大きく影響を与えることが難しいですが、恒常的な経費は削減することで将来分も含めた大きなコストカットが可能です。
いくら削減すればいいの?
どのくらい経費を削減すればいいのか、具体的な目標額を設定することが重要です。まずは、経費について、年度ごとの総額とその内訳を見える化し、それと利益額等を照らし合わせてみましょう。そして、赤字の場合、まずは利益と釣り合わせることを目指して経費の削減額の目標値を定めます。黒字の場合であっても、具体的な削減額を設定することが大切です。それにより、何をどのくらい削減すればよいのかの目途が立ちやすくなります。
何を削減すればいいの?
具体的に削減すべき項目を選定していく際には、まず、経費の中でも削減できない部分を除外して考えましょう。また、経費を削減したことによってサービスの質が低下したり、従業員が不満を持ったりなどしてしまえば、結果的に利益も下がり本末転倒です。そのため、サービスの質や、従業員満足度に影響を与えない部分の経費を削減することが大切です。
わけても特に注意すべきは、従業員のモチベーションを保てるようにすることです。経営者は自分の利益を増やすために経費削減を行うことに積極的なことが多いですが、従業員は経費削減によるメリットをなかなか感じづらい場合もあったり、経費削減目標が従業員の負担になる場合もあったりします。例えば、経費削減のアイデアを従業員から募集し、その効果の大きさに応じてインセンティブを与えたり、表彰をしたりと、従業員のモチベーションを保つ仕組みも同時に作ることで、会社全体で意識を高く保ちながら経費削減を行うことができます。
その他、経費削減の方法の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
アウトソーシングを利用し、固定費を流動費化する方法
恒常的に発生する経費のひとつとして、固定費が挙げられます。そのような固定費を削減するために、アウトソーシングを利用するという方法があります。アウトソーシングを利用することで、業務の効率化や、プロの手によるスピードと品質の向上などの効果も見込めます。今まで当該の業務を担当していた社員を再配置すれば、さらに効率的・効果的に業務を行うことができ、よりよい経営に繋がる場合もあります。このような効果的なアウトソーシングができる部分を探して外注を検討するのはいかがでしょうか。
IT技術・インフラを活用する方法
IT技術を駆使することで、経費が削減できる場合があります。例えば、書類をPDFなどの形式でデータ化することにより、印刷を最小限に抑えて印刷費が削減でき、また、物理的な書類管理の必要がなくなるため保管費用が削減できます。データ化された書類はいつでもどこでも確認できるようになるので、業務の効率化も図れます。このように、IT技術やそのインフラを整えることで経費を抑え、さらに業務を効率化・迅速化できる部分がないか探してみましょう。
事業仕分けをする方法
事業を業務単位に分けて利益と経費を洗い出し、経費が無駄になってしまっている部分がないかを確認する方法があります。事業や業務の中には、利益に繋がらないのに経費だけがいたずらに費やされている部分があるかもしれません。経費をどんなにかけても売上向上が見込めない場合、事業転換や社員の配置換えを行うことで無駄な出費を抑え、さらに効率的な経営をする必要があります。見直すべき部分を明らかにした後は、具体的な行動案を考えましょう。このとき有効な手法として「なぜなぜ分析」というものが挙げられます。なぜその経費が多くなってしまっているか、なぜそうなっているのかを繰り返し問うことで、本質的な原因にたどり着き、効果的な行動案を考えることができます。
まとめ
経営がうまく立ちいかないのは、節税のための経費計上をしすぎていることが原因かもしれません。自社の利益と経費を比較し、経費削減の具体的数値目標を定めることが大切です。経費削減を進める際は、顧客満足度や従業員満足度を下げないように注意しながら、組織全体で継続的に取り組むような体制を作り、社員一丸となって経営の改善を目指していけるようにしましょう。
東京大学卒。現、同大学院所属。
学生起業、海外企業のインターンなどの経験を経て、外資系のコンサルティング会社に内定。
自分の起業の経験などを踏まえてノウハウなどを解説していきます。
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