買い物で最大5,000円が返ってくる「マイナポイント」を利用するには?

[取材/文責]マネーイズム編集部

政府が主導する新たなポイント還元事業「マイナポイント」をご存知ですか? 2020年9月からの実施に向け、いよいよ7月から申し込みが始まります。新型コロナの影響で家計が厳しさを増しているなか、ぜひとも活用したい制度ですが、申し込むには、どうしたらいいのでしょうか? わかりやすく解説します。

実施期間は2020年9月~21年3月

昨年(2019年)10月、クレジットカードや電子マネーなどを使って買い物をすると、税込価格の5%ないし2%が返ってくる「キャッシュレス・ポイント還元事業」がスタートしました。しかし、この事業も20年6月いっぱいで終了。これを引き継ぐかたちで始まるのが、「マイナポイント事業」なのです。

 

事業の主体は、総務省です。「キャッシュレス・ポイント還元」は、消費税率アップに伴う消費の急速な冷え込みの回避、社会のキャッシュレス化推進を主な目的とした事業でしたが、今回も「マイナンバーカード」の普及という「国策」が背景にあります。新型コロナ対策の「特別定額給付金」の申請でも注目されたマイナンバーカードですが、普及率は2割にも達していません。こうした現実を打開して、行政の効率化を推進したい、という思惑が込められているわけです。

 

事業が実施されるのは、今年(2020年)9月~21年3月までの7ヵ月間。この間にキャッシュレス決済で買い物やチャージを行うと、その金額のなんと25%のポイント還元が受けられます。ただ、1人当たり20,000円の買い物まで、という上限がありますから、もらえるポイントは最大で5,000ポイントになります。

 

とはいえ、例えば4人家族なら最大20,000円の「節約」になる計算ですから、お得であることは歴然。チャンスを逃さず、利用したいものです。

「マイナンバーカード」の取得が前提になる

制度を利用するためには、事前に申し込むことが必要です。順を追って説明しましょう。

(1)マイナンバーカードを取得する

さきほど述べたように、この事業の主目的は「マイナンバーカードの普及促進」です。必然的に、サービスを受けるためには、マイナンバーカードを取得しなくてはなりません。

 

マイナンバー制度は2016年にスタートしました。日本に住民票を持つ全員に、12桁の「個人番号」(マイナンバー)が付与され、「個人番号通知書」と「個人番号カード」が郵送されました。ただし、この「個人番号カード」=「マイナンバーカード」ではありません。

 

マイナンバーカードは、氏名、住所、生年月日に加え顔写真が載ったICカードで、取得のためには、新たに申請手続きが必要です。ちなみに、申し込んでから交付されるまで、およそ1ヵ月かかるようです。

 

マイナンバーカードの取得方法については、こちら

(2)マイナポイントの予約=「マイキーID」の取得

ここからは、今回の制度を利用するために必要な手続きです。

 

まず、スマホやパソコンで、「マイキーID」という自分のカード専用のIDを設定します。必要になるのは、マイナンバーカードと、カード発行時に設定した4桁の暗証番号(「利用者証明用電子証明書」)です。

①スマホで予約

  • iOS、AndroidそれぞれのOS別に用意された「マイナポイント」アプリをインストール
  • 4桁の暗証番号を入力
  • マイナンバーカードをスマホでスキャン

②パソコンで予約

  • ICカードリーダでマイナンバーカードを読み取る
  • 「マイキーID」作成・登録準備ソフトをインストール

③市区町村の窓口で予約

「マイキーID」発行の専用端末を設置している市区町村であれば、窓口で予約することも可能

(3)マイナポイントの申し込み=7月からスタート

以上の事前準備は、今でも可能です。そのうえで7月から始まるのが、制度利用の申し込みになります。

 

マイナポイントは、「消費者が選択した決済業者から付与される」仕組みになっています。つまり、申し込みの際には、利用するキャッシュレス決済業者を選ぶ必要があります(言い方を変えれば、好きな決済業者を選ぶことができます)。

 

業者は、総務省の審査を経て登録されることになっており、すでにクレジットカード、QRコード、電子マネー、地域通貨など100以上がラインアップされており、今後も増える予定です。主な決済サービスには、次のようなものがあります。

 

〈クレジットカード〉
楽天カード/オリコカード/三井住友カード/イオンカード/エポスカード

 

〈QRコード〉
PayPay/LINE Pay/メルペイ/d払い/楽天ペイ/au PAY/FamiPay/りそなウォレットサービス/ゆうちょPay

 

〈電子マネー〉
楽天Edy/WAON/Suica/PASMO/ICOCA/nanaco

 

決済業者の詳細については、こちら

目標に達したら「打ち切り」も

最後に、マイナポイントを利用するに当たってのポイント、注意点をまとめました。

子どもも対象になる

さきほど、「4人家族で最大2万円の節約」と言いましたが、マイナポイントは、マイナンバーカードを持っていれば、子どもも対象です。未成年者の予約、申し込みは、親などの法定代理人が行えばOK。

制度には予算がある→募集締め切りもある

決済業者から利用者にポイントとして還元された分は、国から業者に支払われることになります。その原資として計上されている予算は、2,000憶円。1人が上限の5,000円利用すると仮定すると、4000万人分になります。つまり、総務省は、今回の事業で最低でもマイナンバーカードの保有をそこまで増やしたいと考えているものと推測され、目標に達したら、その時点で新規の申し込みは打ち切られるものと思われます。

ポイント有効期限は3ヵ月間以上

買い物やチャージの際のポイントがどのタイミングで付与されるのかは、決済業者ごとに異なります。ただし、ポイント付与については、「利用後2ヵ月以内」に行うというのが、登録に当たっての要件になっています。同じく、有効期限は「少なくとも3ヵ月」とされていますから、最低でもこうした条件でポイントを使うとこができるでしょう。

まとめ

マイナポイントについて、ご理解いただけたでしょうか。お話ししたように、募集人員には上限があります。マイナンバーカードの交付自体にけっこう時間がかかることなどを考えると、特に現在カードを持っていない方が制度を利用するためには、早めに始動するのがいいかもしれません。

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