祝儀を受け取った際の税金-2(会社・個人事業主の場合)

[取材/文責]税理士:浦田泉

祝儀を受け取った際の税金のお話、今回は会社や個人事業主の場合です。
サラリーマン等の個人が冠婚葬祭で受け取った結婚祝金品等や葬祭料、香典、見舞金などは、「世間の相場等からみて社会通念上相当とみられる金額」は非課税となり、所得税や相続税、贈与税などの対象にならないことをご説明いたしました。
会社や個人事業主が祝儀等を受け取った場合は基本的に収益計上するのが原則です。 たとえば、記念式典等のパーティでもらった祝儀等については、法人の場合は雑収入など、個人事業主の場合は事業所得として処理します。
ただし、会費制のパーティで祝儀が実質的な会費になるようなケースでは、パーティの運営費(交際費、福利厚生費など)と相殺できる場合もあります。この場合には受け取った祝儀は預かり金などで処理することになります。
会社や経営者の慶事、受賞などに伴って会社が受け取る祝儀や、学校や組合等が行事に伴って受け取る祝儀(実質的に寄附金)などについても、基本的に雑収入(寄附金収入など)として処理します。
なお、この場合における消費税の取り扱いですが、祝儀(祝い金)や見舞金、寄附金などは消費税の課税対象とはなりません。
落語家が、襲名披露の際に支援者等からもらった祝儀の一部などを税務申告しなかったことについて、東京国税局から「申告漏れ」として指摘されたニュースは、落語家として受け取った祝儀、つまり事業所得として申告すべき祝儀を申告しなかったことが問題になったのです。
ちなみに、落語家の後に問題になった歌舞伎俳優は、ニュースによると祝儀の申告の問題ではなく、収益の計上時期等に税務当局との見解の相違があった、ということのようです。 それにしてもお二人とも追徴税額が数千万円、というのですから・・・すごい話ですね(^_^;)。

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