宅急便で税務申告書等を送付できるか

[取材/文責]税理士:浦田泉

●申告書等は宅急便やメール便で送ることは許されていません。ゆうパックもNGです。簡易書留等を利用することをオススメします。
皆さんは税務申告書を自分で出したこと、ありますか?
確定申告のPRをする女優が税務署職員に申告書を直接手渡しする、なんてシーンをテレビニュースなどではよく見かけますが一般的にはあまりなく、顧問税理士が決まっている方は「申告書の提出は税理士にお任せ」という方が多いように思います。 日常的には気にすることもない申告書等の送付のしかたですが、実は立派なルールがあります。今日はそんなお話です。
税務申告書や申請書・届出書は「信書」に当たり、税務署に送付する場合は「郵便物」または「信書便物」として送付する必要があります。
信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義されており、手紙や請求書・納品書、許可書、証明書、一部のダイレクトメールなどのことをいいます。
簡単に言うと、文書自体に特定のあて先が記載されているものが信書で、郵便法や信書便法により、信書を郵便や信書便(民間事業者による信書の送達)以外で送ることは許されていません。
申告書も、税務署長等に申告の事実を通知する文書ですから立派な信書です。従って、それ以外の方法(宅急便やメール便など)で送付することはできません。
申告書等を送付できる郵便物については、かっこ書きで「第一種郵便物」と限定されています。(ちなみに第一種郵便物とは封書、第二種はハガキ、第三種、第四種は特定目的の郵便物)。 実質的に申告書等を送付できるのは封書だけですから、このような記載をされているものと思われます。
ところで、郵政公社の民営化に伴い、郵便法が10月1日に改正されました。このことにより従来は郵便物とされていた小包(ゆうパックなど)が郵便物ではなくなっています。 つまり、10月1日以降は税務申告書や申請書・届出書を小包で送ることが違法となりました。
申告書等を税務署に送る際には、必ず郵便を使うようにしましょう。 なお、万一の郵便事故に備えて、発送日を特定できる簡易書留等を利用することをオススメいたします。

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