2019年1月から!QRコードでのコンビニ納付について解説
国税の納税方法として、コンビニ納付があります。これまではバーコード納付が行なわれていましたが、2019年1月以降はQRコードを使った納税も可能になります。本記事では、QRコードでのコンビニ納付について解説していきます。
コンビニ納付とは
コンビニで手軽に税金を納めることができるコンビニ納付の制度は、2008年1月に開始されました。それまで、国民健康保険税、軽自動車税、市民税などはコンビニで納付できましたが、所得税や消費税などの国税は銀行や郵便局でなければ納めることができず、窓口で長時間の順番待ちを余儀なくされるということも多くありました。
コンビニ納付の利用条件とは?
所得税や消費税などの国税をコンビニで納付するには、バーコード付きの納付書が必要となります。バーコード付き納付書は納付金額が30万円以下で、以下のような場合に所轄の国税局、税務署から送付されます。
- 確定した税額を期限前に通知する場合(所得税の予定納税等)
- 督促・催告を行う場合(全税目)
- 賦課課税方式による場合(各種加算税)
- 確定した税額について納税者から納付書の発行依頼があった場合(全税目)
上記のうち、最後の「発行依頼があった場合」は、税務署で確定申告をしたときのみ、バーコード付きの納付書が送付されます。その他、たとえば自宅や仕事場からe-Taxを利用するなどして確定申告をおこなう場合は、わざわざ税務署へ出向いてバーコード付き納付書の発行依頼をしなければなりません。この問題を解決したのがQRコード付き納付書の発行です。
バーコード付きコンビニ納付を利用できるコンビニ
コンビニ納付は以下のとおり、ほとんどのコンビニで利用することができます。ご自宅や勤務先の近くに、いずれかのコンビニがあるのではないでしょうか。
- くらしハウス
- コミュニティ・ストア
- サークルKサンクス
- スリーエイト
- スリーエフ
- セーブオン
- 生活彩家
- セイコーマート
- セブンイレブン
- デイリーヤマザキ
- ナチュラルローソン
- ニューヤマザキデイリーストア
- ファミリーマート
- ポプラ
- ミニストップ
- ヤマザキスペシャルパートナーショップ
- ヤマザキデイリーストアー
- ローソン
- ローソンストア100
(平成30年4月1日現在)
コンビニ納付の注意事項
コンビニ納付では、別途領収書は発行されません。納付書の払込金受領書が領収書代わりとなりますが、どうしても領収書が必要な場合は税務署で発行してもらえます。また、コンビニ納付にクレジットカードや電子マネーは利用できませんので注意しましょう。なお、利用手数料は無料です。
QRコードでのコンビニ納付
これまでのバーコード付きコンビニ納付書に加え、2019年1月4日からQRコード付き納付の利用が開始されます。これまで税務署で確定申告をしなければバーコード付き納付書が発行されませんでしたが、今後は電子申告後速やかにQRコードを印刷して納税できるようになりました。以下の要領で、すぐに納付することができます。
- 自宅等で国税庁の確定申告書作成コーナーからQRコードを印刷する
- コンビニに設置されている端末でQRコードを読み取らせて納付書を印刷
- 印刷した納付書をレジに持っていき現金で支払い
対象となる税金と限度額
バーコード付き納付書と同じく、すべての税金がコンビニで納付でき、加算税や延滞税などの附帯税もコンビニQRコード納付の利用が可能です。また、QRコードで納付できる税金の限度額は30万円までとなっています。
利用可能なコンビニ
QRコードでの納付が利用できるコンビニは、キオスク端末と呼ばれるQRコードを読み取るための機械が設置されているコンビニに限られます。したがって現時点では、「Loppi」を設置しているローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ、または「Famiポート」を設置しているファミリーマートのみとなっています。バーコード付き納付書を利用できるコンビニよりも利用可能な店舗が少なくなっていますので注意しましょう。
QRコード納付のメリット・デメリット
QRコード納付の導入により得られるメリットは、前述のとおり電子申告後すぐにコンビニで納付書を印刷し簡単に納付できるという点です。作成したQRコードは、スマートフォンやタブレットに保存しておけば、印刷すらせずに端末に読み取らせることも可能になります。
このQRコード納付の利便性の裏には、私たち納税者にとって最大のデメリットが隠されています。それは、電子化の推進によって、それまで税務署で一番手間のかかっていた申告業務の負担が軽減し、署員の意識がより税務調査に向けられるということです。「手が空いた分を調査に回して納税額を増やそう」とばかりに、今後、税務調査が厳しくなることが予想されています。今まで以上に適正に申告しなければなりません。
バーコード納付 | QRコード納付 | |
---|---|---|
手続き | 税務署で確定申告をしたときのみ、バーコード付きの納付書が送付される | 自宅等で印刷またはスマートフォンに保存したQRコードをコンビニに持参で即納付可能 |
利用可能なコンビニ | ほとんどすべてのコンビニ | ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ、ファミリーマート |
クレジットカード支払い | 不可 | 不可 |
限度額 | 30万円以下 | 30万円以下 |
ポイント | nanacoとWAONが利用できるコンビニで電子マネーにチャージ後納付でポイントがつく | ミニストップのみ、WAONチャージ後納付でポイントがつく。WAONチャージは上限が5万円 |
納税証明書 | 約3週間程度 | 約3週間程度 |
その他便利な納税方法
バーコード納付とQRコード納付にあまりメリットを見いだせない人のために、その他の便利な納付方法をご紹介します。
振替納税
一度税務署で手続きをしておけば、毎年自動で納める税金を引き落とししてくれる便利な制度です。この制度を利用するには、3月15日までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を税務署または引き落とし口座の金融機関へ提出する必要があります。書類はこちらからダウンロードできます。
ダイレクト納付
ダイレクト納付は、e-Taxを利用して申告書を提出した後に「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を所轄の税務署に提出しておけば、続けてe-Tax上で納税できる仕組みです。e-Taxで「今すぐ納付する」もしくは、「納付日を指定して納付する」のどちらを選択し、あとは画面の指示にしたがって入力すれば完了です。
クレジットカード納税
クレジットカードによる納付は、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)の専用のサイトで必要事項を入力し、納付の立て替え払いを依頼します。なお、手数料が必要となります。
まとめ
バーコード納付に続き、2019年1月4日からはじまるQRコード納付について解説しました。QRコードは自宅等ですぐに印刷が可能なうえ、わざわざ税務署に行く手間が省けますが、利用可能なコンビニが少ないという現実があります。今後、LoppiやFamiポートのような端末を設置するコンビニが増えると、よりメリットを感じられるのかもしれません。
慶應大学卒。現、同大学院所属。
大学4年時に公認会計士試験に突破。
自分の知識の定着も兼ねて、会計・財務などに関する知識を解説していきます。
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