「連鎖倒産に備える『中小企業倒産防止共済』で節税対策」,お役立ち税金・税法コラム
お役立ち税金・税法コラム 3 連鎖倒産に備える「中小企業倒産防止共済」で節税対策
債務の返済期間を延期して、その間に事業を安定させてもらおうとつくられた「中小企業金融円滑化法」ですが、 制度利用後に倒産するケースが増えています。
お金の返済を待ってもらっても、経営が改善されないと倒産をふせぐことはできません。 しかし、ちゃんと売上げがあるのに倒産することもあります。
取引先が倒産して売掛金や受取手形が回収できくなった場合がそのひとつです。 今を乗り切る資金さえあれば大丈夫なのに、もったいない話です。
そんな時に役立つのが「中小企業倒産防止共済」。 2013年3月に向かえる円滑化法終了の自衛手段としても利用が増えているようです。
「中小企業倒産防止共済」は、取引先が倒産して売掛金や受取手形などが回収できなくなった時に、
掛け金の10倍(最高8000万円)を無担保・無利子で借りられるというもので、節税効果などのメリットもあります。
○毎月の上限:20万円(5,000円単位で自由に選択可能) ○年間の上限:240万円 ○積み立て限度額:800万円
※一定の条件はありますが、掛金を増額・減額することも可能。前払いはもちろん、支払が厳しい時は停止することもできます。 ○解約の申し出がない限り自動継続
⇒掛金総額が800万円に達すると自動的に掛金の引き落としが止まる。
⇒掛金総額が掛金月額の40倍に達した場合は、掛金を払い止めできる(契約継続は可能)。
【連鎖倒産を防ぐために貸付けを行う共済なので、契約を続けることで不測の事態に備えられます。】 ○解約手当金の利用目的は自由。
○納付月数が40か月以上で共済金の貸付を一度も受けていない場合の解約は掛金を全額受け取れる。
○解約手当金は、益金(法人)または、事業所得の雑収入(個人)に算入される。 (1)任意解約 共済契約者がいつでもできる解約。 (2)みなし解約
個人事業主が亡くなった、法人を解散した、法人を分割(その事業のすべてを承継)した場合など、その時点で解約されたものとみなされる。
共済契約の承継が行われたときは解約にならない。 (3)機構解約 12か月分以上掛金の払込みが滞った場合に中小機構が行う解約。
また、不正行為により共済金の貸付けなどを受けようとしたときも、機構解約となる。 ○40か月に満たないうちに解約すると元本割れする。
○年度内に「解約→解約手当金受取り→再加入」はできない。 ○解約手当金は、益金(法人)または、事業所得の雑収入(個人)に算入されるので、
800万円受け取った場合は、この金額に対して税金がかかる。
【設備投資や退職金に充てるなど使途を決めておけば解約手当金に税金がかからず、受取った金額を100%活用することができます。】
節税になり、40か月後には掛金が100%返ってくる中小企業倒産防止共済はとても利用価値が高い共済制度です。どう活用するのが最も効果的な節税になるのか、税理士の先生に相談してみてはいかがでしょうか。
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