支給が決まった「子育て世帯への臨時特別給付金」と「住⺠税⾮課税世帯等に対する臨時特別給付⾦」を解説
岸田内閣の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策(2021年11月閣議決定)」、に「子育て世帯への臨時特別給付金」と「住⺠税⾮課税世帯等に対する臨時特別給付⾦」が盛り込まれています。支給対象や時期など、現時点の情報をまとめました。
「子育て世帯への臨時特別給付金」とは
まずは、所得制限を設けることや、一部をクーポンで支給することに対する是非で議論になった「子育て世帯への臨時特別給付金」から説明します。
「年収960万円未満」の意味は?
この給付金は、「18歳以下の子ども(2003年4月2日から2022年3月31日までの間に出生した児童)がいる世帯」が対象ですが、所得制限があります。支給対象となるのは以下の場合です。
② 16歳~18歳の子どもの場合、親(所得の高いほう)の所得が「児童手当」の所得制限基準を満たす世帯
この給付金は、当初「すべての子育て世帯」を対象に検討中、とされました。その後、与党の調整を経て所得制限が設けられることになったのですが、その時に盛んに報じられたのが「年収960万円未満」という数字です。
ただ、これはあくまでも扶養家族が3人(子ども2人+配偶者など)の「モデル世帯」の場合であることに注意が必要です。児童手当の所得制限は扶養家族の人数によって変わり、目安としては以下のようになっています。
扶養親族等の数 | 所得額 (単位:万円) |
収入額目安 (単位:万円) |
---|---|---|
0人 (前年末に児童が生まれていない場合 等) |
622 | 833.3 |
1人 (児童1人の場合 等) |
660 | 875.6 |
2人 (児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
698 | 917.8 |
3人 (児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
736 | 960 |
4人 (児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
774 | 1002 |
5人 (児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合 等) |
812 | 1040 |
※扶養親族等の数とは、所得税法上の同一生計配偶者と扶養親族(施設に児童が入所している場合は当該児童を除きます。以下「扶養親族等」といいます。)、さらに扶養親族等でない児童で前年の12月31日時点で監護・養育した児童(配偶者またはその他の人の扶養親族となっていた児童、その児童自身の合計所得金額が38万円を超えているため扶養親族になれなかった児童を除きます。)の数を言います。(内閣府ホームページより)
支給は「現金5万円+クーポン5万円」が基本
2021/12/23追記
給付方法は下記の3方式の中から地域の実情に応じて各自治体が選択できるとした。
①現金5万円を2回に分けて支給
②現金5万円を支給の後、クーポンで5万円分を支給
③現金10万円を一括で支給
支給額は、「18歳以下の子ども1人当たり10万円」ですが、政府方針では
●5万円の現金:新型コロナウイルス感染症対策予備費を使い、基本的に21年内に支給を開始
●5万円分のクーポン:来年春の卒業、入学、新学期に向けて給付
の“2本立て”が基本となっています。
ただ、後者のクーポンによる支給に関しては、事務経費として967億円が必要となることなどに批判も集まり、自治体には「(クーポン分は)実情に応じて現金給付も可能とする」との例外規定に基づいて全額現金方式を模索する動きも広がっています。さらには「年内一括支給」を表明する自治体まで現れました。
住んでいる自治体によって、支給の方法や時期が異なる可能性もあります。詳しくは自治体のホームページ等で確認してください。
申請方法は?
説明したように、まず5万円の現金が先行して支給されます。
先述の①の児童手当受給世帯は、申請不要で、21年内をめどに児童手当振込口座に振り込まれる予定です。
一方、②の世帯に関しては、申請手続きが必要になるため、①に比べると支給時期はやや遅くなる可能性が高いようです。
さきほども述べたように、対応は自治体によって違うことが考えられます。すでに振込予定日などが順次発表されていますから、ホームページなどで確認するようにしてください。
「住⺠税⾮課税世帯等に対する臨時特別給付⾦」
「住民税非課税世帯」に給付される
「住⺠税⾮課税世帯等に対する臨時特別給付⾦」では、対象となる世帯に一律10万円が支給されます。
対象者は、
① 世帯全員の2021年度分の住⺠税均等割(※)が⾮課税である世帯(住⺠税が課税されている者の扶養親族等のみからなる世帯を除く)
② ①のほか、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、①の世帯と同様の事情にあると認められる世帯(家計急変世帯)
となっています。
住民税非課税世帯とは?
対象となる住民税非課税世帯は、次のいずれかの要件を満たす場合を言います。
a)生活保護を受けている
b)未成年者、障害者、寡婦、ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下(所得が給与所得のみの場合は、給与収入が204万4000円未満)
c)前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下
c)については、自治体ごとに異なり、例えば東京23区では次の式で計算されます。
給付時期など詳細は未定
支給の時期については、「できるだけ速やかに⽀給できるよう、⾃治体に協⼒を依頼」としていますが、明示はされていません。21年度補正予算案に盛り込まれた措置なので、21年内を目指す臨時国会での予算成立を踏まえた対応になります。支給に際して、特に申請は不要なものとみられています。
なお、さきほど説明した子育て世帯への特別給付とは別の制度のため、それぞれの要件を満たせば、両方を受給することが可能です。
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まとめ
新型コロナ対応の「子育て世帯への臨時特別給付金」、「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付⾦」の支給が決まっています。すでに自治体などから情報発信が行われていますから、随時チェックするようにしましょう。
▼参照サイト
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