贈与税の納税猶予制度

[取材/文責]税理士:宮崎一博

先代経営者から後継者へ非上場株式等が 一括贈与(発行済完全議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分) された時点で後継者の贈与税の全額が猶予されます。 その後、先代経営者の死亡により贈与された非上場株式等が 相続により取得したものとみなされ、 非上場株式に係る80%相当額の相続税の納税が猶予されます。
贈与税の納税猶予制度の適用を受けるための要件は下記の通りです。
(1)贈与する前に後継者を確定し計画的に事業承継に取り組んでいることについて 経済産業大臣に確認を受ける必要があります。 (2)会社の要件 ①円滑化法の経済産業大臣の認定を受けた会社であること。 ②中小企業基本法の中小企業であること。 ③非上場会社であること。 ③資産管理会社に該当しないこと。 (3)贈与者(先代経営者)の要件 ①会社の代表者であったこと。 ②役員を退任すること。 ③先代経営者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を 保有かつ同族内で筆頭株主であった場合 (4)経営承継受贈者(後継者)の要件 ①会社の代表者であること。 ②先代経営者の親族であること。 ③20歳以上であり、かつ、役員就任から3年以上経過していること ④後継者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を 保有かつ同族内で筆頭株主となる場合。 (5)会社、先代経営者及び後継者が要件を満たしていることについて 経済産業大臣の認定を受ける必要があります。 (6)後継者の5年間の事業継続要件 ①会社の代表者であること。 ②雇用の8割以上を維持(社会保険加入者をベース)すること。 ③贈与を受けた対象株式を継続保有すること。 ④毎年1回、税務署長へ届出をすること。 (7)後継者の5年経過後の事業継続要件 ①贈与を受けた対象株式を継続保有すること。 ②3年毎に税務署長へ届出をすること。

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