福利厚生として法人保険は必要?従業員のとってのメリットとデメリットとは
法人保険をご存じでしょうか。福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生がありますが、法人保険は法定外福利厚生です。この法人保険を福利厚生として活用することは、企業にとっても従業員にとってもメリットがあります。
そこでこの記事では従業員にとっての法人保険のメリットとデメリット、法人保険の事例について解説します。
福利厚生に使われる法人保険とは
福利厚生に使われる法人保険とはどのようなものなのでしょうか。ここでは法人保険について解説します。
法人保険とは
法人保険は、企業や組織が保険を利用することを指します。法人保険は、個人が利用する一般的な保険とは異なり、企業や組織の特定のリスクやニーズに合わせてカスタマイズされた保険商品です。そのため法人保険という商品があるわけではありません。
社会保険は法定福利厚生なので、従業員がひとりでもいれば加入の必要があります。法人保険は法定外福利厚生なので加入の義務はありませんが、従業員を保護するという対外的なアピールになります。
企業が法人保険を選ぶ際には、企業や組織の特定のリスクやニーズを考慮することが重要です。保険会社との相談や専門家のアドバイスを受けることで、最適な法人保険を選べます。
法人保険の種類
法人保険は大きく生命保険と損害保険にわけられます。生命保険はけがや死亡だけでなく、退職に備えても加入するもので、ヒトに対する保険です。損害保険はモノに対する保険ですが、突然の事故で長期間働けなくなった場合の保険も含まれています。
収入が減少した場合の補償の役割も担えるため、従業員にメリットが大きいわけです。そのため会社が法人保険に入っていることが、優秀な人材を集めるアピールポイントになる可能性があるでしょう。
従業員にとっての法人保険のメリット
従業員にとっての法人保険のメリットは以下の2つです。
法定外福利厚生が受けられる
法人保険は法定外福利厚生なので、他社よりも福利厚生の恩恵を受けられるのが従業員とってのメリットです。また退職金として使われる法人保険もあり、退職金の上積みが期待できます。
一方福利厚生には、法定福利厚生があります。法定福利厚生とは、労働者の福祉を保護するために政府が定めた法律や制度のことです。日本では、労働基準法や社会保険法などが法定福利厚生の基盤となっています。
法定福利厚生には、労働者の健康保険や厚生年金、労災保険などが含まれています。これらの制度は、労働者が病気やケガをした場合に医療費や生活費を補償するためのものです。また労働者が年金を受け取れるようにするための制度も含まれています。
さらに法定福利厚生には労働時間や休暇に関する規定もあります。たとえば労働者の最低賃金や労働時間の上限、有給休暇の取得権などが法律で定められています。これらの規定は、労働者が適切な労働条件で働けるようにするために設けられているのです。
このように福利厚生には法定外福利厚生と法定福利厚生があり、法定外福利厚生は企業によって変わります。そのため法定外福利厚生を受けられることそのものが従業員のメリットになるわけです。
安心して働ける
事故や病気で働けないときに保険が活用できるため、従業員は安心して働けます。従業員が安心して働ける環境であれば、従業員の満足度はアップします。従業員の満足度の向上は生産性向上にもつながり、結果として企業の売上アップにもつながるはずです。
全体として、法人保険は従業員が安心して働ける環境を整えるための重要なツールです。企業が法人保険を提供することで、従業員のモチベーションや生産性の向上につながるでしょう。
また従業員の健康や安全を守ることで、企業の信頼性や社会的な評価も高められます。法人保険は企業と従業員の双方にとって、大きなメリットをもたらす重要な制度と言えます。
従業員にとっての法人保険のデメリット
法人保険にはデメリットもあります。ここでは従業員にとっての法人保険のデメリットについて解説します。
従業員の所得税が増える可能性がある
法人は保険料を損金算入できますが、従業員が受取人の場合は給与扱いになる場合があります。給与扱いになると、従業員の所得税が増える可能性もあります。従業員の負担が増える場合があるので、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
退職すると保険契約が継続できない
法人保険は法人との契約のある従業員が対象なので、退職すると保険の契約が継続できません。そのため退職する場合は保険契約を解約する必要があります。また退職すればその保険の補償も受けられません。
法人保険は企業が契約しているわけですから、退職すればその対象から外れるのは仕方のないことですが、補償が受けられなくなるということから、転職の妨げにもなるのはデメリットだと言えるでしょう。
法人保険を福利厚生として活用した事例
法人保険には以下のような事例があります。
従業員が養老保険に加入した場合
養老保険は死亡保障と貯蓄の両方がある保険です。万が一死亡した場合に死亡保険として遺族が受け取れます。また満期まで従業員が生存している場合は、退職金として支払われるわけです。そのため退職金の準備として使われるケースも多くあります。
養老保険に加入することで、従業員は将来の安定した収入を確保することが可能です。また養老保険は、従業員が高齢になった際に生活費を支えるための重要な手段となります。年金は、定年退職後に受け取れるため、従業員は定年後も生活を維持することが可能です。
さらに養老保険に加入することで、従業員は将来の医療費に備えることもできます。高齢になると、病気やケガのリスクが増えるため、医療費の負担も大きくなります。しかし養老保険に加入していれば、医療費の一部を補填できるでしょう。
従業員が養老保険に加入することは、彼らの福利厚生を向上させるための重要な手段です。将来の安定した収入と医療費への備えを持つことで、従業員は安心して働けます。企業としても、従業員の福利厚生を考えることは大切であり、養老保険の活用はその一環として検討されるべきものです。
従業員が医療保険に加入した場合
従業員を受取人にして法人保険に加入した場合に、治療費や入院費が支給されます。労災保険で対応できない場合でも、医療保険に加入していれば支援できます。
従業員が医療保険に加入することは、多くの企業で一般的な福利厚生の一つです。医療保険は、従業員が病気やケガをした場合に、医療費の一部をカバーするためのものです。
医療保険に加入することで、従業員は安心して働けます。万が一の病気やケガに備えて、医療費の負担を軽減できます。また定期的な健康診断や予防接種なども受けることができ、健康管理にも役立つでしょう。
たとえばある会社では従業員が医療保険に加入することで、健康意識が高まり、病気やケガの予防に積極的に取り組むようになりました。また医療費の一部がカバーされることで、従業員の負担が軽減され、経済的な安心感も得られます。
従業員が医療保険に加入することは、企業にとっても従業員にとってもメリットがあります。健康な状態で働くことは、生産性を向上させるだけでなく、従業員の満足度や忠誠心も高めます。企業が従業員の福利厚生を充実させることは、長期的な成功につながる重要な要素です。
まとめ
ここまで福利厚生としての法人保険について解説してきました。法人保険は従業員にとってメリットもあれば、デメリットもあります。福利厚生が手厚い会社を望むならば、法人保険がある企業に転職するのもひとつの方法ではないでしょうか。
渋谷区で一から立ち上げたプログラミング教室スモールトレインで代表として、小学生に対するプログラミングと中学受験の指導に従事。またフリーランスのライターとしても活躍。教育関係から副業までさまざまな分野の記事を執筆している。
著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)、共著で『#学校ってなんだろう』(学事出版)がある。
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