経理の合理化が実現?ペイジーのサービスをみずほ銀行を例に徹底解説
Pay-easy(ペイジー)の登場で公共料金などの支払いがより便利になりました。しかも入金管理にも利用でき、利便性向上により経理の合理化が期待できるかもしれません。しかし、新規導入の前に不安がつきものでしょう。そこで、みずほ銀行を例にペイジーのサービスについて徹底解説します。
ペイジーとは
ペイジーについて詳しく見ていきましょう。
ペイジーのコンセプト
ペイジーの登場により、金融機関の窓口やコンビニのレジに並ぶことなく、パソコンやスマートフォン・携帯電話・ATMからの支払いが可能になりました。支払いの時間や場所を法人が自由に選択できるのがペイジーのコンセプトです。たとえば、1人社長の法人が、税金の支払いを電車内からスマートフォンで納税することもできます。
入金管理にも利用できる
ペイジーの利便性は支払時だけでなく、請求金額の入金漏れを防ぐための入金管理にも利用できます。みずほ銀行には「ペイジー税金・料金払込みサービス」があります。オンライン方式を例に取引の流れを説明します。
- (1)購入企業がインターネットやFAXなどを通じ、販売企業に対し商品の購入申込を行う
- (2)販売企業は請求情報をペイジー用通信サーバに登録する
- (3)販売企業は購入企業に対し、商品とペイジー支払いに必要な番号を記載した請求書を送付、または電子メールなどでペイジー番号を連絡する
- (4)購入企業はATMやみずほダイレクトなどに、通知されたペイジー番号を入力し、表示された請求情報を確認のうえ、支払いを実施する
- (5)販売企業は上記(4)の支払結果をサーバから取得し、入金額と突き合わせして請求情報の消込(入金の確認)を実施する
ペイジーのメリット
ペイジーのメリットについて支払い側と入金側に分けて見ていきましょう。
(1)支払い側
- 利便性向上:支払う時間や場所が選択できるため、時間の節約につながる
- 支払金額にミスが生じない:ATMなどに表示される請求金額どおりに支払うだけのため、支払金額の入力ミスなど防止できる
(2)入金側
- 対象顧客の拡大:購入企業の利便性向上により、対象顧客の拡大につながる
- 消込の効率化:購入企業名・金額の相違が発生せず100%消込が実現できる
- 資金効率の改善:入金口座を当社指定の口座に集中させるなどのコントロールができる
など
ペイジーを利用するためには?
振込用紙やインターネットバンキングで支払う場合とはやり方が違うため、ペイジーを利用しようとすると、始めのうちは苦手意識を持ってしまうかもしれません。そこで、事前に利用方法を理解することが重要になってきます。
ペイジーの利用方法
ペイジーの利用方法について支払側と入金側に分けてみていきましょう。
ペイジーでの支払い方法
ペイジーでの支払い方法の手順を紹介します。
- (1)請求書・ショッピングサイト・電子メールなどから収納機関番号などの番号を入手する
- (2)「ATMに出向く」または「インターネットバンキングにログインする」
- (3)画面上で表示される「税金・各種料金払い込み」などペイジーのメニューを選択する
- (4)収納機関番号などの各種番号を入力する
- (5)画面上の支払内容を確認する
- (6)支払いを実行する
ポイントは(3)の、ペイジーのメニューを探し出すところです。みずほ銀行では「ペイジー税金・料金払込みサービス」となっていますが、ペイジーのサービス名称は金融機関ごとに異なります。
メニューまでたどり着ければ、(4)以降は画面上の指示に従うだけです。
入金管理の方法
ペイジーを利用した入金管理の方法は、ペイジー収納サービスの通信ネットワークおよび金融機関との資金決済を自社または外部委託にするかどうかを決めます。具体的には、次の3つの方法を選択できます。
- (1)個別接続型(直接加盟方式):自社独自のサーバを構築する方式
- (2)共同利用センター接続型(直接加盟方式):システム代行会社の通信サーバを利用する方式
- (3)収納代行事業者利用型(関節加盟方式):ネットワーク通信と金融機関との資金決済を収納代行会社に委託する方式
なお、みずほ銀行系列の場合、システム代行会社はみずほ情報総研、収納代行会社はみずほファクターです。
「決済ナビ」の利用で入金管理の効率がアップする
みずほ銀行の「決済ナビ」を利用することで、入金管理をより効率化することが可能です。それでは、詳しく見ていきましょう。
決済ナビとは
EC総合決済サービスの決済ナビは、ネットショップなどのインターネットでの商取引(EC)に必要な各種決済手段をワンストップで提供するサービスです。メリットは次の通りです。
- 各決済機関との契約手続きなどが一本化できる:決済機関ごとの契約手続きやメンテナンスをする手間が省ける
- 全決済手段における入金を一本化できる:入金口座の指定がコントロールしやすくなる
利用できる決済手段
決済ナビで利用できる決済手段は次の通りです。
決済手段 | 利用可能決済機関ブランドなど | 支払い方法 |
---|---|---|
クレジットカード | Visa、MasterCard、JCB、AmericanExpress、Diners | PC、携帯電話から |
コンビニエンスストアなど | セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキなど | コンビニ店頭から |
ペイジー | みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行など、ペイジー対応の金融機関200行以上 | ATM、インターネットバンキング(PC、携帯電話)から |
銀行ネット振込 銀行振込など |
みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行、スルガ銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行など | 銀行・郵便局窓口、ATM、PC、携帯電話から |
電子マネー | 楽天Edy | 携帯電話から |
みずほ銀行のペイジー税金・料金払込みサービスの利用開始手続き方法
みずほ銀行のペイジー税金・料金払込みサービスを例にペイジーのサービスの利用開始手続きについて説明します。
パソコン・スマートフォン・携帯電話で支払う場合
ATM以外のパソコン・スマートフォン・携帯電話で支払う場合、インターネットバンキングを利用できる環境にするのが大前提です。みずほ銀行の場合、みずほダイレクトや法人向けのみずほe-ビジネスサイトの申し込みが必要になります。
ペイジーで入金管理をする場合
ペイジーで入金管理をする場合の利用手続きの手順は次の通りです。
- (1)日本マルチペイメントネットワーク推進協議会に入会をする
- (2)マルチペイメントネットワーク用の通信サーバと接続する=基本的にみずほ情報総研株式会社と契約する(要望に応じて、みずほファクター株式会社を紹介する場合もある)
決済ナビを利用する場合
決済ナビを利用する場合、みずほ銀行および各決済機関の審査をクリアする必要があります。審査のクリア後、契約する段階で登記簿謄本を提出し、システムを構築します。申し込みから利用開始までの期間は最大2ヵ月が見込まれます。ただし、Webサイトの表記の修正を求められたり契約できなかったりする場合があります。また、Webサイトなどのシステム構築費用は自社負担となります。
まとめ
ペイジーの利用方法はハードルとコストの低い順から①税金・各種料金の支払手段、②ペイジーでの入金管理、③各決済機関からの入金を一元管理する方法があります。個々の法人ごとで事情が異なるため、経理業務の効率性とコストの兼ね合いからより良い方法を選択しましょう。
▼参照サイト
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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