景気回復時に起こる倒産-2

[取材/文責]税理士:浦田泉

引き続き、景気回復時に起こる倒産についてのお話です。
景気回復時には、売上拡大のために運転資金を掛けすぎて資金がショートして倒産に至ることがあります。倒産の兆候は支払条件の緩和などに現れがちです。自社の経営を守るためにも、営業担当社員は「倒産の兆候」を見逃さないようにすることが重要なのです。
実は、これ以外にも「倒産の兆候」は出てくるのです。得意先へ出入りしている営業社員がまず気づかなければいけないことは、職場全体の雰囲気に問題はないかということです。 いつも訪問をしている営業社員は、何かが違うと感じたときは、必ず、上司に報告をすべきです。
例えば、従業員の私語が多くなっているとか、ひそひそ話しをしているとかは注意が必要です。上司への言葉使いもその一つ。横柄な言葉使いが出てきたときは、要注意です。
また、仕事に対して従業員の熱意が感じられなくなった、会社の中の整理整頓が悪くなった、ホワイトボードや黒板に書かれていることの内容が変わった、書き方が乱雑になった、などもちょっと気になるポイントです。
実は、こういったポイントは、金融機関もチェックしているポイントなのです。金融機関が貸出先を見て、少しでもその兆候が表れれば、回収しようということを考えます。 たとえ、経営的に問題がない会社であったとしても、会社の雰囲気ひとつで金融機関の印象も変わります。
企業経営は利益や資金繰りだけでなく、社員のモチベーションアップや職場環境の整備などにも配慮する必要があるのです。経営者の方も、忙しい本業の合間に、こうした観点から一度社内をチェックすることが重要ではないでしょうか。

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