税金や社会保険はどう納める?個人事業主の税金の納め方とは

個人事業主は、様々な税金や国民健康保険などの保険料を納める必要があります。しかし、税金や社会保険料はその種類によって納付時期や納付方法が異なるため、注意しておかないと、納付忘れが起きる可能性もあります。
そこで、ここでは個人事業主が納める必要のある税金などの納付時期や納め方について詳しく解説します。
個人事業主が納める税金や社会保険の種類とは
まず、個人事業主が納める税金や社会保険の種類について見ていきましょう。個人事業主が納める税金や社会保険には、次のようなものがあります。
①所得税
所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得に対して課される税金です。
所得税法では、収入の種類によって所得を10の区分に分け、それぞれの所得で所得金額や、納税金額を計算します。所得税は、国に納める税金です。
②住民税
住民税は、都道府県や市区町村などの自治体に納める税金です。住民税も所得税同様、所得に対して課されます。所得税の確定申告を行えば、そのデータが各自治体に届くため、住民税の確定申告を別で行う必要はありません。納める税金の金額も、自分で計算する必要はなく、金額の記載された納付書が送付されてきます。
③個人事業税
個人事業税とは、事業を行っていることに対して課される税金です。個人事業税も、自治体に納付します。所得税の確定申告を行えば、そのデータが各自治体に届くため、個人事業税の確定申告を別で行う必要はありません。
納める税金の金額も、自分で計算する必要はなく、納付額の記載された納付書が自治体から送付されてきます。
④消費税
消費税は、モノの購入やサービスの提供などの消費に対して課される税金です。消費税は法人が支払うと考えがちですが、個人事業主であっても、一定の売上がある場合などは、消費税の納付義務があります。
⑤国民健康保険
個人事業主は、会社員と違い、会社の健康保険組合などには加入できません。多くの場合、国民健康保険に加入します。国民健康保険の保険料は、前年度の所得などで金額が異なるため、その年ごとに納める金額も異なります。
国民健康保険のほかに、一定の業種の場合は業種ごとの健康保険組合に加入するという選択肢もあります。
⑥国民年金
会社員の場合は厚生年金に加入しますが、個人事業主の場合は原則、国民年金に加入します。国民年金の保険料は、金額が一定ではなく、毎年見直しが行われます。
国民年金以外にも、国民年金に上乗せで支払うことができる付加年金や、国民年金基金などもあります。
個人事業主が納める税金や社会保険の納付時期
ここまでは、個人事業主が納める税金や社会保険の種類について見てきました。ここからは、それぞれの納付時期について見ていきましょう。
①所得税
所得税は、原則、翌2月16日から3月15日までの期間に確定申告と納税を行います。納付期限までに、所得税の納付書に自分で金額を記載し、税務署の窓口や金融機関などで納付します。また、所得税を銀行から引き落としで納付する振替納税もあります。振替納税の期間は、毎年異なりますが、おおむね4月中旬となっています。
②住民税
住民税は、各自治体より送られてくる納付書により納付します。通常、年4回に分けて納付します(一括で納めることも可能)。住民税の納付期限は、自治体によって異なりますが、おおむね6月・8月・10月・1月です。
住民税についても、新型コロナウイルスの影響で納税の猶予措置を講じている自治体も多くあります。詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。
③個人事業税
個人事業税は年2回に分けて納付します。個人事業税の納付期間は、自治体によって異なりますが、おおむね8月と11月です。
④消費税
消費税は、原則、翌2月16日から3月31日までの期間に申告と納税を行います。納付期限までに、消費税の納付書に自分で金額を記載し、税務署の窓口や金融機関などで納付します。
また、消費税を銀行から引き落としで納付する振替納税もあります。振替納税の期間は、毎年異なりますが、おおむね4月中旬となっています。
⑤国民健康保険
国民健康保険料は、1年間の保険料を10回に分けて納付します。通常、6月~翌3月の月末が納付期限です。
新型コロナウイルスの影響により、納付が困難になった場合は、納付の猶予が認められる場合があります。要件などは自治体で異なることがあります。詳細は、各自治体にお問い合わせください。
⑥国民年金
国民年金は、原則、毎月末日が納付期限です。1年分をまとめて前払いすることで、保険料の割引が受けられる国民年金前納割引制度や、2年分をまとめて納める2年前納制度などもあります。
新型コロナウイルスの影響により、一時的に納付が困難になった場合は、一定の要件を満たすことで、国民年金保険料の免除が適用される場合があります。
国税の納付方法は複数ある
税金の納税で大きいものは所得税や消費税などの国税です。実は、国税の納付方法は現金での支払いだけでなく、複数の方法があります。ここでは、国税の納付方法について見ていきましょう。
国税の6つの納付方法
国税の納付方法には、次の6つがあります。
①ダイレクト納付
ダイレクト納付とは、e-Taxによる簡単な操作で預金からの振替により納付する方法のことです。e-Taxで申告している場合に利用できます。
②インターネットバンキング
インターネットバンキングやモバイルバンキングから納付する方法です。この場合も、e-Taxで申告している場合に利用できます。
ただし、すべての金融機関が利用できるわけではなく、ペイジーが使える金融機関に限ります。
③クレジットカード
クレジットカード納付とは、インターネット上にあるクレジットカード支払の機能を利用して納付する方法です。国税クレジットカードお支払サイトから納付します。
④コンビニ納付
これは、QRコードかバーコードがついた納付書を使って、コンビニで納付する方法です。
QRコードは、自宅で国税庁のホームページからQRコードを作成・出力し、コンビニなどでQRコードを読み込んで、納付書を作成し納付します。
バーコードは、税務署からバーコード付納付書の送付を受けられた人のみが利用できます。
⑤振替納税
預金口座からの振替により納付する方法です。
⑥窓口納付
納付書を使って、税務署や金融機関の窓口で納付する方法です。
納付書はどこでもらえる?入手方法は
国税の納付には、6つの方法がありますが、納付書を使って納付する人が多いです。では、納付書はどこで入手できるのでしょうか。
確定申告の場合は、金額の記載のない納付書が税務署から郵送されます。万が一、納付書を無くした場合も、所轄の税務署に電話で請求したり、確定申告時に税務署の窓口に行けば、入手が可能です。
まとめ
個人事業主は、多くの税金や社会保険料などの納付をする必要があります。しかし、それぞれで納付期限は違っています。
また、新型コロナウイルスの影響により、例年より納付期限が延長されたり、納付の猶予が認められる場合があります。特に、住民税などの地方税は、自治体により対応が異なる可能性があります。不明な場合は、お住まいの自治体にお問い合わせください。
▼参照サイト
- https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/kigenencho.htm
- https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0020003-044_02.pdf
- https://www.city.suginami.tokyo.jp/news/r0203/1059208.html
- https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html
- https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202003/20200312.html
- https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/01.htm
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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