消費税増税後初の「国民的イベント」“ハロウィン”と軽減税率

今年もハロウィン(10月31日)が近づいてきました。東京・渋谷の喧騒は、また繰り返されるのでしょうか。ところで、今回のハロウィンは、直前に消費税率が10%に引き上げられると同時に、食料品の税率は据え置く「軽減税率」が導入されたという点が、昨年までとの違い。人によってはけっこう出費の多くなるイベントを前に、その影響を考えてみました。
食べ歩きはセーフだけれど
消費税の軽減税率について、簡単におさらいしておけば、「食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類、外食やケータリング等を除く)」と、「週2回以上発行の定期購読契約に基づく新聞」に関しては、消費税の税率を以前の8%に据え置く、という制度です。低所得者層への「重税」に配慮した仕組みと言われるのですが、特に「外食やケータリング等を除く」という規定が波紋を広げました。
スーパーやコンビニで食料品を購入するのには、軽減税率適用。でも、買ったものをコンビニなどのイートインコーナーで食べたり飲んだりするのは、「外食」扱いで10%の課税になります――というのが、消費者にとって感覚的に「わかりにくい」理由です。
友達と仮装して、ハロウィンでにぎわう街に出かけた。小腹がすいたから、コンビニでおにぎりとお茶を軽減税率で購入。そのまま店を出て、歩きながら食べたり、公園のベンチに座って一服したりというのは、もちろんOKです(ごみを散らかすのは問題ですが)。でも、たまたまイートインスペースが空いていたので、「歩き疲れたし、ここで食べていこう」というのは、アウト。税率2%といえども、「税逃れ」に違いはありません。もし気づいた店員さんに会計のやり直しを要求されたら、従うしかないでしょう。
ちなみに、「イートインコーナーでの飲食は軽減税率の対象外」という事実を知りながら、「持ち帰り」の申告をして購入し、店内で飲食する。こうした行為を繰り返したような場合には、刑法の「詐欺罪」が適用される可能性がある、と指摘する専門家もいますから、あまり軽く考えないほうがいいようです。
お菓子にもある「落とし穴」
ハロウィンパーティーで、集まった子どもたちにお菓子を配る。そんな場面も普通のことになりました。ネット通販でも、そういうシチュエーションに便利な商品が盛りだくさんです。ハロウィンの「トレードマーク」であるカボチャが外袋にプリントされた、キャンディーやクッキーなどの詰め合わせ商品には、わざわざ「軽減税率対象商品」という但し書きが。「消費税は上がったけれど、お菓子の税率は前と変わりませんよ」とアピールして、購買意欲を高めてもらおう、というわけです。
ところが、こうした菓子類などでも、軽減税率の適用されないケースがあるのを、ご存知でしょうか? 気をつける必要があるのは、おもちゃ付きの菓子、いわゆる「食玩」です。
食玩であれば、必ず適用外というわけではないので、またややこしい。国税庁は、
- ①お菓子とおもちゃを合わせた「一体資産」の税抜き価格が1万円以下であること
- ②一体資産のうち、お菓子の占める価格が2/3以上であること
の両方の要件を満たせば、軽減税率の適用対象になる、としているのです。
①を満たさないお菓子というのは、ちょっと考えにくいですから、現実的には「おもちゃの値段が全体の1/3を超えたら、軽減税率にはならない」ということになるでしょう。理解できるような、できないような線引きではありますが、パーティー用に大量に購入するような場合には、「このお菓子は8%じゃなかったの?」ということにならないよう、注意が必要かもしれません。
なお、国税庁は、これと似たような例として、次のようなQ&Aをホームページで公開しています。
いかがでしょうか? 消費者にとってありがたい軽減税率ではありますが、仕組みはけっこう複雑。慣れるまで、少々の混乱が避けられないかもしれません。
まとめ
お財布に嬉しい消費税の軽減税率。ただし、適用になるか・ならないかの線引きには、判断が難しい部分もあります。イートインの対応や、食品とその他のものが混在する商品の扱いといった基本は押さえておくべきでしょう。
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