決算書!この数字に注目!

[取材/文責]公認会計士・税理士:須崎洋一

よく社長さんから、一つだけで答えて下さいという注文をいただきます。
1. 「貸借対照表はどこを見ればいいですか?」
2. 「キャッシュフロー計算書はどこを見ればいいですか?」
3. 「損益計算書はどこを見ればいいですか?」
それでは実務的に見ていただく数字をズバリ回答します。
「貸借対照表を見たらまずはどこを見ますか?」「資本の部の剰余金を見ます。これがプラスであると今まで利益が出てきた良い会社。マイナスだと赤字の累積に苦しんでいる会社です。剰余金とは今までの利益の蓄積額です。このプラスが多いと自己資本が多くなり他人資本に依存していない会社、潰れにくい会社と言えます。中堅中小企業の黒字会社上位15%に入る優良会社は平均+145,000千円、黒字会社の平均+52,000千円、赤字会社の平均は-17,000千円です。」
「キャッシュフロー計算書を見たらまずどこを見ますか?」「フリーキャッシュフローを見ます。5年平均でこれがプラスであると資金繰りが良い会社。マイナスだと資金繰りに苦しんでいる会社です。営業キャッシュフローは通常プラスで、投資キャッシュフローは通常マイナスです。その合計のフリーキャッシュフローを見ます。中堅中小企業の黒字会社上位15%に入る優良会社は平均+12,000千円、黒字会社の平均は+2,000千円、赤字会社の平均は-4,000千円です。」
「損益計算書を見たらまずはどこを見ますか?」「経常利益を見ます。これがプラスであると儲かっている会社。マイナスだと(欠損と書いている場合もあります)損をしている会社です。経常利益は毎期無いような特別の利益・損失を無視している経常的な利益です。売上を見ても、儲かっているかどうか分かりません。
経常利益を見ます。中堅中小企業の黒字会社上位15%に入る優良会社は平均37,000千円、黒字会社の平均は11,000千円、赤字会社の平均は-4,000千円です。」
いかがですか?ご参考になれば幸いです。

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