親の長寿医療制度保険料を肩代わりしている従業員の年末調整

[取材/文責]税理士:浦田泉

所得税では、本人と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合、その本人の社会保険料控除の対象にできます。
本年度も、年末調整の時期が近づいてきました。 今年の年末調整に関する変更点としては、住宅ローン減税の改正、およびバリアフリー改修促進税制の創設に伴う変更が掲げられています。
そして、何かとお騒がせ?!だった、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の取り扱いにも注意が必要です。今日はそんなお話です。
7月の政令改正により、本人の年金収入が年180万円未満など一定の要件に該当する場合、長寿医療制度の保険料を世帯主や配偶者の口座から振替えることができるようになり、10月分の保険料から適用されます。
ということは、今年の年末調整時に、親などの長寿医療制度保険料を肩代わりしている従業員がいるケースが出てくるわけです。
所得税では、本人と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合、その本人の社会保険料控除の対象にできることになっています。 つまり、親などの長寿医療制度保険料を口座引き落としにより支払っている場合には、支払った保険料について社会保険料控除が受けられるわけです。
実際、平成20年分の「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」の裏面を見ると、社会保険料控除の欄において「控除の対象となる保険料」に「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料(長寿医療制度の保険料)」が追加されています。
したがって、支払った長寿医療制度の保険料がある場合は、同申告書の社会保険料控除の欄に支払った金額等を記載することになります。 なお、この場合には証明書等の添付は必要ありません。

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