定期同額給与が改定できる「特別の事情」とは

[取材/文責]税理士:浦田泉

定期同額役員給与は、原則として事業年度内における給与額の改定が認められません。しかし「特別の事情」や「やむを得ない理由」がある場合には、年度内における改訂が認められます。
役員給与のなかで例外的に損金算入が認められている定期同額役員給与は、原則として事業年度内における給与額の改定は認められません。 しかし「特別の事情」や「やむを得ない理由」がある場合には、この定期給与の年度内における改定が認められています。
では「特別の事情」や「やむを得ない理由」とはどんなものでしょうか? 次の3点が定められています。(法人税法施行令69-1-1)
(1)継続して毎年所定の時期にされる定期給与の改定とされ、その改定が3月経過日(会計期間開始の日から3月を経過する日)の後にされるもので「特別の事情」があると認められる場合 (2)役員の職制上の地位変更、職務内容の重大な変更、これらに類するやむを得ない事情、「臨時改定事由」によりされた定期給与の額の改定 (3)経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(認められるのは減額のみです)
役員の地位や職務内容の変更、経営状況の悪化というのはイメージができるかもしれませんが、(1)に示す「特別の事情」については、イメージしづらいかもしれません。
(1)の「特別の事情」とは、定期給与の改定にあたり組織面や予算面、人事面などにおいて「何らかの制約を受けざるを得ない、内外の事情がある場合」とされています。
具体的には、
(A)全国組織の協同組合連合会などにおいて、その役員が下部組織である協同組合などの役員から構成されるものであり、下部組織の総会終了後でなければ、連合会の定時総会が開催できない場合 (B)監督官庁の決算承認を要するため、3月経過日後でなければ定時総会が開催できない場合
(C)会社の役員給与が、その親会社の役員給与を参酌して決定されるなどの状況にあり、親会社の定時株主総会の終了後でなければ、会社の役員の定期給与に係る決議ができない場合
などが例として挙げられています。(法人税法基本通達9-2-12の2)
詳細については、税理士にご相談ください。

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