ガソリン税以外にも?!期限切れの措置法-少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例について

[取材/文責]税理士:浦田泉

●「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が、今年3月31日に期限切れとなりました。現在ではフォローする法律がないため、4月以降に購入した少額減価償却資産は通常の減価償却をしなくてはいけない、というのが現状です。
今年は参議院での与野党逆転により、実質的に国会が混乱しています。
与党が国会に提出した平成20年度税制改正法案である「所得税法等の一部を改正する法律案」が、参議院において審議さえ行われず、結果、3月31日においてお開きとなりました。
とはいえ、これではあまりに無責任ですので、与党は、5月末まで延期するいわゆる「つなぎ法案」といわれる「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法の一部を改正する法律案」を国会に提出し、野党も同意し賛成多数で可決・成立しました。
しかし、つなぎ法案の適用は限定列挙となっており、対応できていない「期限切れ」の項目があるのです。
大々的に報道している「ガソリン税の暫定税率」は期限切れ税金の最たる例ですが、実はそれだけではありません。
財務省の発表による「適用期限が経過した租税特別措置(条文順)」によると、期限切れの措置はガソリン税含め26項目に及びます。
この中で、中小企業者にとって痛手なのは「中小企業者当の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の期限切れです。
この特例は、青色の中小企業者が資産を購入した場合、30万以下なら、買った年度で全額減価償却できる措置法でした。例えば、29万円の資産を購入した場合、買った年度で29万円を費用処理できる、というものでしたが、3月末日をもって期限切れとなってしまいました。
税務署に取り扱いを確認したところ、現在ではフォローする法律がないため、3月末に購入した少額減価償却資産は損金算入できるが、4月1日以降に購入した少額減価償却資産については通常の減価償却を行ってください、とのことでした。
今後、復活の可能性は残されていますが、どのような形で復活するのかは未定。「決まるまでは動かないのが無難かもしれませんね」といわれました(^-^;)。
ガソリンが安くなった、と喜んでばかりではいられません。一日も早く、審議を進めて実務に混乱をきたさないよう、切に願っています!

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