出張旅費支払の注意点(1)

[取材/文責]税理士:浦田泉

役員や社員が出張した場合、その出張経費(出張旅費、宿泊費、日当等)については、実費を計算して精算するケース、定められた出張旅費規程に応じて支払うケース、出張旅費規程は無いが慣習や上司決済等によって都度支払われるケースなどがあります。
今週、来週の2回に分けて、出張旅費支払の注意点についてお話いたします。
所得税法によると「給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をした場合」などについて「その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの」には所得税を課さないとあります。
これを逆に言うと、「その旅行について通常必要であると認められる」金額を超えた分については所得税を課すということで、その超えた額については、社員の出張旅費であれば給与、役員の出張旅費であれば役員給与として扱われることになります。 なお、役員給与と認定された場合は会社の損金にも計上できません。
これは、消費税も同じで、「事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当する」(消費税法基本通達11-2-1)とされています。 つまり、通常必要である額を超えた分については、消費税の仕入れ税額控除ができないことになります。(簡易課税を選択している場合は関係ありません)
ここで重要なことは、「通常必要と認められる額」の判定です。このお話は次回いたします。

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