裁判員制度に定める日当・旅費を受けた場合

[取材/文責]税理士:浦田泉

裁判員や裁判員等選任手続きで出頭した候補者などに対して支給される旅費・日当・宿泊料は、「その合計額を雑所得に係る総収入金額に算入する」とされています。 また、裁判員制度の日当などとあわせて、必要経費を差し引いた雑所得の所得金額が20万円を超える場合は会社員でも確定申告が必要となります。
5月から裁判員制度がスタートします。
制度の上では、裁判員に選ばれると日当として一日最高1万円が支払われます。 また、裁判員には選ばれなくても、候補者として裁判所へ出向いた場合は、最高8千円の日当が支払われることになっています。
そこで最高裁ではさきごろ、国税庁に対して「裁判員等に支給される旅費、日当及び宿泊料に対する所得税法上の取扱いについて」と題した照会を行いました。
国税庁の回答によると、裁判員や裁判員等選任手続きで出頭した候補者などに対して支給される旅費・日当・宿泊料は、「その合計額を雑所得に係る総収入金額に算入する」とされました。
雑所得の計算では、必要経費を差し引くことができます。 この場合は「実際に負担した旅費及び宿泊料、その他裁判員等が出頭するのに直接要した費用の額の合計額」を必要経費にできる、とのことです。
日当などが雑所得に当たることで注意が必要なのは、日当などのほかに雑所得がある場合です。
雑所得には、年金や恩給などの公的年金、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが含まれます。
裁判員制度の日当などとこれらを合計して、必要経費を差し引いた雑所得の所得金額が20万円を超える場合は会社員でも確定申告が必要となるのです。
裁判員に選ばれた方は確定申告のことも頭の片隅で考えておいてください。

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