0円別荘には税金がかかる?0円別荘の税金やメリット・デメリットを解説
別荘といえば高額なイメージがありますが、実は、0円で購入できる、いわゆる0円別荘も増えています。しかし、0円別荘といっても、メリットだけでなく、税金がかかるなどのデメリットもあるので注意が必要です。
ここでは、そもそも0円別荘の概要や税金の関係、所有することのメリット・デメリットについて解説します。
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そもそも0円別荘とは
はじめに、そもそも0円別荘とはどのようなものか、その概要を見ていきましょう。
0円別荘とは、その名の通り0円で購入できる別荘のことです。0円といっても、無料で購入できる別荘もありますが、それ以外にも、諸費用の負担のみで購入できる別荘も0円別荘に含まれます。無料である場合であっても、諸費用の負担のみで購入できる場合であっても、一般的な別荘の購入に比べて極端に安い価格になっていることには変わりありません。
では、なぜ、0円別荘が登場し、増え続けているのでしょうか。0円別荘が増えている理由には、主に購入時と現在の所有者における環境の変化が挙げられますが、別荘の所有目的により、別荘を売り出す理由もさまざまです。
購入者自身が利用することを目的に別荘を保有する場合は、所有者の収入の減少が別荘を売り出す原因のひとつになります。別荘の維持には、一定の負担を伴います。そのため、別荘を所有するためには、ある程度の収入があることが前提となります。
別荘を購入した時には多くの収入があったが、新型コロナウイルスの影響拡大や社会情勢の変化などの理由で収入が減少している人は多くいます。現状の収入では、別荘の維持をすることが難しくなり、一刻でも早く別荘を手放したいので、0円別荘として売却します。
一方、貸別荘など投資の目的で別荘を購入した場合は、需要の減少が別荘を売りに出す原因のひとつです。インバウンド需要の低下などの原因で、貸別荘の需要が減少し、別荘の維持管理やローンの返済などができなくなったため、損をしてでも早く売りたい人が増えています。
また、相続で引き継ぎ手がいないために、安く売却しようと考えるケースもあります。
0円別荘にかかる税金とは
0円別荘は、通常よりもかなり安い金額で別荘を手に入れることができるので、お得です。しかし、ここで注意したいのが税金のことです。実は、0円別荘にかかる税金はたくさんあります。ここでは、0円別荘にかかる税金について見ていきましょう。
0円別荘の取得時にかかる税金
0円別荘の取得時にかかる税金には「不動産取得税」と「登録免許税」の2つがあります。
・不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得したことに課される税金のことです。不動産取得税は、別荘が所在する都道府県に納めます。原則、不動産取得税の税額は、不動産の評価額×税率(4%)で計算されます。
不動産取得税は、売買価格ではなく、あくまで不動産評価額に対して課されます。そのため、0円別荘であっても、不動産所得税を納める必要があります。
・登録免許税
不動産を取得したら、所有者が代わったことを法務局で登記する必要があります。所有権移転登記の際に納める税金が、登録免許税です。登録免許税は、印紙を購入することで国に納められます。原則、不動産の所有権移転登記には、不動産の評価額×税率(1,000分の20)の登録免許税が課されます。
登録免許税も売買価格ではなく、あくまで不動産評価額に対して課される税金のため、0円別荘であっても、登録免許税を納める必要があります。
その他にも、登記をする際に依頼する司法書士の報酬などの費用がかかることも注意しましょう。
0円別荘を保有していることにかかる税金
0円別荘を保有していることに対する税金には、固定資産税があります。固定資産税は、原則、固定資産税評価額×税率(標準税率1.4%)で計算されます。建物については、年が経つにつれて固定資産税評価額が減少していくため、古い物件を購入した場合は、固定資産税が低いこともあります。ただし、固定資産税は毎年、納税をする必要があります。
また、0円別荘を完全に0円で取得した場合には、贈与とみなされることもあります。
その場合は、贈与税(取得年度のみ)も課されるので注意が必要です。
0円別荘取得のメリット・デメリット
0円別荘を取得することには、メリットだけでなくデメリットもあります。0円別荘の取得を考える際には、メリットとデメリットの両方を理解しておく必要があります。
ここからは、0円別荘取得のメリット・デメリットを見ていきます。
0円別荘取得のメリット
まずは、0円別荘取得のメリットから見ていきましょう。0円別荘取得のメリットには、次のようなものがあります。
・非常に安く別荘を手に入れることができる
0円別荘取得のメリットの最も大きなことは、非常に安く別荘を手に入れることができることです。
一般的に、別荘の購入となれば、少なくとも数千万円の資金は必要になります。これらの資金は、自己資金や金融機関からの融資などで用意する必要があります。そのため、ある程度の収入や財産がなければ、別荘を所有することはできません。
しかし、0円別荘であれば、安価で購入ができるため、別荘購入のハードルが低くなります。
・インバウンド需要の持ち直しで、収益が増えることも
別荘の保有を投資として考えた際に重要なのが、需要があるかどうかです。
投資の対象となる別荘は、観光地にあることが多いです。現在は、新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要が減っている観光地にある別荘であっても今後、新型コロナウイルスが収まれば、インバウンド需要が回復する可能性も高いです。
インバウンド需要が回復すれば、多くの収益をあげることもできます。価格の安い今のうちに、0円別荘を購入しておくのも良いでしょう。
・退職後にリタイア生活を送ることができる
別荘を所有していれば、退職後に別荘でリタイア生活を送ることができます。退職後に今住んでいる土地から離れて過ごしたい場合は、0円別荘を購入しておくことで、安くリタイア生活を送る物件を手に入れることができます。
0円別荘取得のデメリット
次に、0円別荘取得のデメリットを見ていきましょう。0円別荘取得のデメリットには、次のようなものがあります。
・維持費がかかる
0円別荘取得のデメリットで大きなものは、維持費がかかることです。固定資産税はもちろんのこと、清掃や修繕など、様々な維持費がかかります。0円別荘を購入する場合には、これらの維持費が毎年、いくら必要なのかをあらかじめ把握しておく必要があります。
・計画通りの収益が得られないことがある
0円別荘を投資資産として取得する場合には、当初の計画通りの収益を上げられないこともあります。
0円別荘を売りに出している理由は様々です。そもそも、収益があがらないために、売りに出されている別荘の場合は、インバウンド需要の回復など、収益が増加する新たな要因がなければ、当初の計画通りの収益が得られないことがあります。
・取得にかかる経費が高くなることがある
0円別荘はあくまで、物件の購入価格が0円ということです。そのため、購入後に修繕が必要な場合の修繕費など、経費がかかることもあります。特に、大規模な修繕が必要なケースでは、多くの資金が必要になるので、注意が必要です。
まとめ
0円別荘とは、その名の通り0円で購入できる別荘のことです。無料で購入できる別荘もありますが、それ以外にも、購入時に諸費用の負担だけは必要になる別荘も0円別荘に含まれます。
0円別荘取得には、非常に安く別荘を手に入れることができるなどのメリットがありますが、維持費がかかるなどのデメリットもあります。また、取得時には、不動産取得税などの税金もかかります。
0円別荘の購入を考える際には、メリットだけでなくデメリットも把握し、総合的な判断が必要となるでしょう。
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▼参照サイト
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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