ホワイトデーのお返しは経費にできる?基本ルールを解説

[取材/文責]マネーイズム編集部

ホワイトデーとは、バレンタインデーにチョコレートなどの贈り物を受け取った人が、そのお礼としてプレゼントを贈る日として広く知られています。近年では、ビジネスの場面でも取引先や従業員、顧客へのギフトとして活用されることが増えています。

しかし、その贈り物が会社の経費として認められるかどうかは、状況によって異なるものです。本記事では、ホワイトデーのギフトが経費として計上できる場合と、計上できない場合について詳しく解説します。

ホワイトデーのお返しが経費として認められる条件とは?

ホワイトデーのギフトが経費として認められるかどうかは、支出の目的や贈る相手によって判断が分かれます。ビジネス上の経費として計上するには、その支出が会社の業務と明確に関連していることが重要なポイントとなります。

ホワイトデーのお返しが経費になるケース

ホワイトデーのお返しが経費として認められるかどうかは、その支出の目的によって判断されます。ビジネスシーンにおいては、得意先との関係性を良好に保つことを目的としたものや、企業の宣伝、または従業員への福利厚生など、業務上必要とされる支出があり、それらは経費として計上できます。

しかし、個人的な贈り物や一部の従業員にのみ提供されるプレゼントなどは、経費として認められないと判断される可能性があります。ここからは、ホワイトデーのお返しが経費として認められる具体的なケースについて詳しく解説します。

得意先にホワイトデーのお返しを渡す場合

取引先や顧客からバレンタインデーにチョコレートを受け取った場合、そのお返しとしてホワイトデーに贈り物をすることがあります。この贈り物は取引先との関係構築を目的としたものであることから、「接待交際費」として経費計上が可能です。
以下のように、仕訳処理を行います。

借方勘定科目:接待交際費

借方金額:10,000円

貸方勘定科目:現金

貸方金額:10,000円

適用:ホワイトデーのお返し購入

会社名や店名入りのホワイトデーのお返しを客などに配る場合

不特定多数の顧客や来店者に対して、会社名や店名が入ったホワイトデーの贈り物を配布する場合、広告宣伝活動の一環とみなされ、「広告宣伝費」として経費計上が可能です。

たとえば、店舗のロゴが入ったキャンディやチョコレートなどを来店客に配る場合、ブランド認知度の向上や集客効果を狙ったものであることから、広告活動の一部として認められるでしょう。

借方勘定科目:広告宣伝費

借方金額:15,000円

貸方勘定科目:現金

貸方金額:15,000円

適用:ホワイトデー用キャンディ購入

従業員全員に配ることを目的とし、ホワイトデーのお返しを購入した場合

社内の福利厚生の一環として、従業員全員にホワイトデーのお返しを配布する場合、その費用は「福利厚生費」として経費計上が可能です。

ここでのポイントは、特定の従業員だけでなく、全員を対象とすることです。特定の人のみに贈る場合、贈られた人の給与扱いとされるため、注意しておきましょう。

借方勘定科目:福利厚生費

借方金額:8,000円

貸方勘定科目:現金

貸方金額:8,000円

適用:ホワイトデーギフト購入

従業員のためにホワイトデーのイベントをする場合

従業員向けにホワイトデーのイベントを開催する場合、会社の経費として処理できます。

仕訳では「福利厚生費」や「雑費」として計上しますが、対象はすべての従業員でなければいけません。特定の従業員だけを対象にした場合、その支出は給与として扱われる可能性があるため注意しましょう。

借方勘定科目:福利厚生費

借方金額:20,000円

貸方勘定科目:現金

貸方金額:20,000円

適用:ホワイトデーイベント代

ホワイトデーのお返しが経費にならないケース

ホワイトデーのお返しが経費として認められないケースも存在します。たとえば、個人的な関係で贈り物をする場合や、特定の従業員だけにプレゼントを贈る場合などです。事業に無関係な場合などは、経費として扱われないため、注意が必要です。

ホワイトデーに関するその他の税金

ホワイトデーのお返しに関する税金は、贈る側だけでなく、受け取る側にも関係してきます。たとえば、お返しを受け取った場合の贈与税や、企業がホワイトデーの贈り物を経費として計上する際の消費税の取り扱いについても注意が必要でしょう。

ここからは、ホワイトデーのお返しに関する税金のポイントについて解説します。

ホワイトデーのお返しをもらった場合の税金

会社が従業員全員に対し、ホワイトデーのお返しをする場合には、福利厚生の一環としてみなされるため、受け取った従業員に所得税は課されません。ただし、役職者・特定の部署・業績優秀者のみを対象として贈られる場合、その贈り物は給与や報酬とみなされる可能性があります。

特定の従業員のみを対象として贈り物をした結果として、受け取った従業員には所得税の負担が発生することがあるため、注意しておきましょう。

ホワイトデーのお返しと消費税

ホワイトデーのお返しを経費として計上する場合、消費税の扱いはどうなるのでしょうか。

接待交際費や福利厚生費として計上する場合、消費税も経費として処理できるケースが多いですが、それが個人的な支出の場合は対象外になります。あくまでも、ホワイトデーのお返しが事業に関係するものであれば、消費税も経費として計上できます。

まとめ

ホワイトデーのお返しが経費になるかどうかは、その支出が業務に関連しているかどうかによって決まります。

  • 得意先や顧客へのお返し ・・・ 接待交際費
  • 社名入りのプレゼントの配布 ・・・ 広告宣伝費
  • 従業員全体へのお返し・イベント ・・・ 福利厚生費

個人的な支出や特定の従業員だけへのプレゼントは、経費にならないため注意が必要です。適切な経費処理を行い、無駄な税負担を避けるようにしましょう。

中小企業経営者や個人事業主が抱える資産運用や相続、税務、労務、投資、保険、年金などの多岐にわたる課題に応えるため、マネーイズム編集部では実務に直結した具体的な解決策を提示する信頼性の高い情報を発信しています。

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