「空間除菌」のクレベリン製造販売元の大幸製薬に6億円余りの課徴金

[取材/文責]マネーイズム編集部

“空間に浮遊するウイルス・菌を除去”などと根拠のない表示で除菌用品の「クレベリン」を販売したとして、4月11日に消費者庁は、製造販売をしていた大阪の製薬会社・大幸製薬に対し、景品表示法に違反(優良誤認)するとして6億円超の課徴金を支払うよう命じました。

景品表示法の課徴金としては過去最高額

クレベリンは「正露丸」で知られる大幸薬品が、2005年4月に業務用、2008年9月に一般用に発売した二酸化塩素を主成分とする衛生管理用品(分類は雑貨)で、コロナ禍が始まった2020年には消毒用アルコールなどの代替として人気を集めました。

引用:大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について【消費者庁】

消費者庁によると、製造販売元の大幸薬品は、スティック型とスプレー型、置き型などの5つの商品において、2008年9月以降、商品パッケージなどに“空間に浮遊するウイルス・菌を除去”などと表示し、あたかも使用すれば室内や空間に浮遊するウイルスや菌が除去される効果が得られるかのような記載をしていたようです。
消費者庁は大幸薬品に対して、表示の根拠となる資料の提出を求めたようですが、密閉された空間でのデータなどは示されたものの、一般的な環境での効果を裏付ける合理的な根拠は示されなかったとしています。
そのため、こうした表示は景品表示法の「優良誤認」にあたるとして、消費者庁は同社に対して再発防止などを命じる措置命令を行っていましたが、4月11日に課徴金として6億744万円を支払うよう命じたようです。

2016年度に導入された景品表示法の課徴金としては、加熱式たばこの不当表示で納付を命じられたフィリップモリスジャパンの5億5274万円を超えて過去最高額となるようです。

では、なぜ景品表示法に基づく課徴金額が過去最高になったかというと、それだけこの商品が売れたからということになります。
消費者庁が公表している景品表示法の規定によると、課徴金の額は対象期間内におけるその商品の売上額の3%を課す仕組みで、景品表示法の施行令により、売上額は対象期間内に引き渡された商品の総額からその期間内に返品された分などを控除したものとされています。消費者庁がこの商品に関して、違反と認定した表示や広告の対象期間内(2008年9月13日〜2022年4月21日)における売上額は約202億4867万円とされており、課徴金は6億円超に及ぶとしています。

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