5月8日から新型コロナ「5類」へ移行に何が変わる?

[取材/文責]マネーイズム編集部

厚生労働省は、5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類感染症」に移行させることを正式に決定しました。新型コロナウイルス感染症はこれまで「2類」に分類され、結核などの重症化リスクや感染力が高い感染症と同じ扱いでしたが、インフルエンザと同じ扱いになります。
国内で新型コロナの流行が始まってから約3年、大きな転換期を迎えることになります。

5月8日以降、変わることとは?

コロナウイルス感染症の感染状況が徐々に改善されつつあり、ワクチン接種も進んでいることから、「5類」移行の変更は一部で歓迎されています。しかし、一方で、医療費の自己負担が増えることに懸念を示す声も挙がっているようです。

●緊急事態宣言やまん延防止措置の発令がなしに

緊急事態宣言やまん延防止措置の発令がなくなり、感染者や濃厚接触者への外出自粛要請もできなくなるため、個人や事業者が自ら感染対策を判断する仕組みに変わります。これは、感染状況が落ち着いてきたことを受けての変更であり、今後は自主的な行動が求められるようになるでしょう。感染した場合の療養期間も、これまでの発症翌日から7日間までが5日間に短縮されます。

●医療費が自己負担に

新型コロナの検査や治療、入院費用がこれまで全額公費負担だったものが、5類移行に伴い自己負担へと変わります。政府は、保険診療で窓口負担が3割の患者の場合、外来医療費は最大で4170円になると試算しています。ただし、患者の負担が急に増えないように、2023年9月末までは高額なコロナ治療薬について無料で提供されるほか、入院費が高額な場合は月に最大2万円を軽減する措置がとられます。その後も、感染状況を見極めながら、この措置が継続されるか検討される予定です。

●ワクチン無料は2024年3月まで

新型コロナウイルスのワクチン接種は、2024年3月末まで無料で継続されることが決まっています。ただし、5月8日から8月頃までの約4カ月間、3回目以降のワクチンを接種できる人は、高齢者や基礎疾患のある人、医療従事者などに限定されるようです。そのため、これに該当しない人が3回目以降の接種を受けたい場合は、5月7日までに接種しないといけないということです。9月以降は再び全員が接種できるようになる予定のようです。

さらに、連日報道されている新規感染者数の発表方法も変わります。厚生労働省が毎日発表していたものが、5月からは毎日ではなく週1回、金曜日のみになります。最初の発表は5月19日金曜日の予定です。こうした週1回発表される感染状況を見て、私たちは個人で感染対策などを判断するという世界に移行していくことになります。

<5類移行とともに変わるコロナ対策>

2023年2月末時点 今後の方向性
マスクなど感染対策 屋外では不要 3月13日から個人の判断に委ねる
スポーツ観戦・コンサート鑑賞 原則マスク着用。観客収容率50%以下で一部エリアでのみ声出し応援可 3月13日以降、マスク着用なら観客収容率100%でも声出し応援可能に
水際対策 中国などからの入国者に検査 4月29日に終了
医療費 自己負担分を公費負担 5月8日から自己負担へ
ワクチン 全額公費負担 2024年3月末まで無料接種。将来的な自己負担検討。

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